次世代の料理は、彼らが担う!? サンペレグリノが主催する要注目な国際料理コンクールの地区大会が開催!
「まず、素晴らしいメンバーの審査員の中に選ばれたのはとても光栄なことなので、プライドを持って取り組ませていただきます。私が評価する際に最も注目したいのは、食材です。どんな食材をどういった理由で選んだのか? そして、その食材をどんな風に使ったか? そして最後は、オーガナイズ。どうな風な流れで演出していくのか? もちろん味わいはとても重要ですが、この3つのポイントを注視しながら評価していきたいと思います」。
今回この大会に日本を代表して選出されたのは、一之瀬愛衣さん。 6年間、星付きレストランで培ってきたフレンチの技法をベースに、自身が育った日本の文化や伝統を融合し、和の旨みや風景を表現することを意識し、『Hopes For the Future of Food』と名付けられた料理を披露しました。
一之瀬さんの料理で最も目を引いたのは、巻物。 ノミネートされたシェフたちが美味しい料理を提供してくるのは当然なので、審査員の記憶に残るようなアプローチとして、日本の伝統的な巻物を添え、料理や食材の歴史や誕生のきっかけについての解説をつけました。 また、現在の環境下で起こっている問題提起として、食材に”さくらんぼ”をピックアップ。さくらんぼは、寒暖差のある環境で育つ果物なんですが、地球温暖化で採れにくくなっているという現状を伝えながら、出生地である滋賀の近江牛、へしこなど長く日本で愛されてきた食材を、自身の得意とする技法で料理を完成させました。 ある審査員は、彼女の料理を「皿の上には日本の風景が広がっているのに、味はフランス料理で、強いメッセージも込められていた」と評しました。 しかし、残念ながら今回は受賞ならず…。
映えあるアジア地区優勝の栄冠は、香港のシェフ、アーディ・ファーガソン氏の元に。
彼が提供したのは『Archipelago Celebration』と銘打たれた、「島々の祝祭」という意味のひと皿で、盛大な集まりで提供されることが多いインドネシアの祝祭料理『ナシ・テンポン』にヒントを得た肉や野菜と共に供される米料理。 自身のルーツであるインドネシアに敬意を表しつつ、鴨を熱湯で下処理し赤ワインビネガーで艶を出して美しい色を出し、近くで手に入るサトウキビでスモークして甘くスモーキーで爽やかな風味を加えることで香港らしさを取り入れました。"これが自分なりの香港ロースト"とのことです。