日本人の食生活は圧倒的に糖質が多い! 太るのはカロリーではなく糖質が原因【疲れない体をつくる最高の食事術】
日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。 写真はこちらから→日本人の食生活は圧倒的に糖質が多い! 太るのはカロリーではなく糖質が原因【疲れない体をつくる最高の食事術】
解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)
昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。
疲労を招く食生活でなぜ太るのか
◆カロリーではなく糖質が原因 これまで何度も述べてきたように、糖質をたくさん摂ると血糖値が乱高下し、眠気やだるさ、集中力の低下などに代表される慢性疲労を招きます。みなさんの疲れをつくりだしているのは、糖質の多い食生活です。 では、それがなぜ、肥満に繫がるのでしょうか。 いまだに多くの人が、太るのは「カロリーの高いものを食べ過ぎているからだ」と思っています。 「瘦せたければ、出る(使う)カロリーよりも、入れる(食べる)カロリーを少なくすればいいだけだ」と、したり顔で言う人もいます。医師ですら、そう信じている人がたくさんいます。 一見、論理的なようですが、人間の体はそれほど単純なものではありません。そこには、消化・吸収などの「生化学」の視点が抜け落ちています。 「カロリー理論」でいくと、カロリーが高い脂身たっぷりのステーキをたくさん食べていれば、どんどん太ってしまいます。しかし、そんなことはありません。 実際には、脂身たっぷりのステーキを3枚食べた人より、米飯を3杯食べた人が太ります。太る原因は、糖質であって、タンパク質や脂質ではないからです。 そのメカニズムを説明しましょう。 米飯などに含まれる糖質も砂糖と同様、消化の過程ですべてブドウ糖に分解されます。 そのブドウ糖は、小腸から血液中に吸収されて血糖値を上げます。そのとき、膵臓からインスリンが分泌されて、血糖値が上がりすぎないよう対処します。 そして、この「対処」が肥満に繫がるのです。 血液中に余ったブドウ糖は、最初はインスリンによってグリコーゲンという物質に変えられ、筋肉や肝臓に蓄えられます。 ただ、グリコーゲンとして貯蔵できる量はさほど多くなく、残ったブドウ糖は、今度は中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に取り込まれます。 どうして、余ったブドウ糖が中性脂肪に変えられるかといったら、そのほうが備蓄するのに効率的だからです。