連日の残業で睡眠時間は3時間!?「辞められたら困る」と上司!休みの日も発熱時も働き続けた社畜に残されたものは?【作者に聞く】
希望を抱いて入社した会社は、ハードワークでブラック労働だった。次々と退職していく同期、定時後から仕切り直して始まる仕事、休みの日も仕事のことが頭から離れない日々、そんなオーバーワークな会社に4年間勤務した職場を描く、じょん(@John25uru)さんの社畜漫画「暗黒労働編」を紹介するとともに退職までの話を聞いた。 【漫画】本編を読む ■睡眠時間の記録では、徹夜や2時間、3時間、4時間睡眠ばかり… 働いてみて思ったこと、それは「社会人ってこんなに大変なんだ」ということ。中途採用も就職内定者も、仕事を教えてもすぐに辞めていき、一向に仕事は楽にならない。 「社会人は頑張ることが当たり前なんだ」と上司に言われ、どんなに大変なことがあっても「これくらいやらなければ」「がんばらなくちゃ」と、不屈のサイヤ人理論でじょんさんは自分を鼓舞した。「社畜になると、どんどん視野が狭くなります。自分を客観視できる視点が重要だと思いました」 残業が「普通」だと思うようになった。「睡眠時間の記録を見返すと、当時は徹夜や2時間、3時間、4時間睡眠ばかりで我ながら戦慄しました。とてつもなくハードでしたが、仕事の基準が上がり、メンタルもだいぶ鍛えられました」と、じょんさん。 休日も、映画館を出ると上司からの着信がいくつも入っている。発熱で休んでいても「これだけはやって欲しい」とスマホに連絡がきた。「今思うと、よくこんなに続けていたなと思います(笑)。当時は、『とりあえず3年は続けよう』とか、そんな考えにも縛られていたような気がしますね」 固定残業代だったため、超過した分は残業代がついたという。しかし、帰宅は深夜1時を回ることも。「よく体を壊さずやってるな」と思ったころ、少しずつ体に異変が現われた。のどに飴玉が詰まったような感覚で息がしにくい。さらに体に湿疹ができ、医者に神経症と診断され、退職を決意した。「身体に症状が出始めて『あ、これやばいな…』と、危機感を感じました」 時折、鳴っていない着信音が聴こえたり、パソコンの前に立つだけで動悸が激しくなったり、スマホが鳴ることにも恐怖を覚えた。当たり前だが、上司は「辞められたら困る」と、引き留める。 「そう言ってもらえるのはありがたいことですが、それで揺らぐことはありませんでした。自分の人生は自分で決めたいですからね。退職に限らず、双方の主張が同時に叶うことってほぼないので、相手のことも最低限は尊重しつつ、いかに自分の意思を揺るぎないものにするかが大切だと感じました」体のSOSは、絶対に見逃してはならない。 しかし、退職までは大変だったという。「いろいろな出来事があり、ものすごく労力がかかりました。組織を抜けるだけでこんなにもすり減るものなのかと、大変さを身をもって実感しました」と、じょんさんは当時を振り返る。 今、思うと「1年目か2年目が辞め時だったかも」と話す。「人が少なくなっていくほど、勤続年数が長くなるほど、辞めづらくなっていくので…。ただ、転職面接で前職をある程度続けたことを評価していただくこともあります。なので、ハードな環境で仕事を続けたことも、少なからずメリットはありました。なかなか、一概には言えないですね…」 世の中ホワイトな職場ばかりではないだろう。しかし、どこまで頑張るかの線引きは重要。無事退職したじょんさんだが、転職編では231社以上落ち続けることになる。 取材協力:じょん(@John25uru)