<街ぶら>あのCMの建物は大阪・生野だった ロート製薬本社へ
<街ぶら>あのCMの建物は生野区だった ロート製薬本社へ THE PAGE大阪
大阪市生野区で目立つ大きな「ロート製薬」の看板。「V・ロート」などの目薬や「パンシロン」といった胃腸薬など、様々な商品を世に送り出す国内屈指の製薬会社は同区巽西に本社を置いている。大阪市内とは思えないほど緑豊かな広いスペースが広がり、オリンピックの金メダリストを生み出したプールも存在。そして、テレビなどで誰もが見た、あのCMもこの場所で撮影されていたという。今回はそんなロート製薬本社へおじゃまし、本社内を散策させてもらった。
オリンピック金メダリストを生んだプールも
1階ロビーに入ると、受付の女性が笑顔で立ち上がって挨拶をしてくれる。その後方には、同社のキャラクター「ロッ太くん」「ロッチーちゃん」のイラストも描かれている。ロビーは新築のようなきれいな空間が広がり、Vロートなどおなじみの商品がズラリと並ぶ。そして、いきなり目に入ってきたのは「ギネス世界記録」の認定証だ。 「これは昨年『最新年度において最も売上の高いOTCアイケアブランド』としてギネスに認定されました」と語るのは、同社広報・CSV推進部の吉本有希さん。このほかにも、生活の上で目にする商品の数々、そして、同社がユニフォームスポンサーとなっているガンバ大阪の選手のサイン入りユニフォームなども飾られている。 そして、吉本さんがまず案内してくれたのは、同社内のグラウンド。広い敷地の真ん中は大きなグラウンドとなっており、全社員が集まる大運動会などが開かれたり、桜並木もきれいなことから、地元の人たちを呼んでお花見を行ったりもしたという。 そんな広大なグラウンドの中でひと際目立つ、少し年季の入ったプールがあった。聞けば50メートルもあるらしいが、なんとここからオリンピックの金メダリストが誕生したという。「当時の社長の山田輝郎が私財を投げうって、1965年に山田スイミングクラブを作ったんです」と吉本さん。時は東京オリンピックの翌年。当時の山田社長が「日本を元気にするんだ」という思いで、オリンピックメダリストを輩出するため、全国から有望な女子選手を集め、指導を行うスイミングクラブが存在したという。 そして、その願いは現実となり、1972年のミュンヘンオリンピックで青木まゆみ選手が金メダルを獲得した。後にスイミングクラブは閉鎖されたが、世界一の選手を輩出したプールとして現在も残されている。