箱根予選会をトップ通過した立教大 監督不在を乗り越えてキャプテン安藤は「みんなで笑って終わりたい」
キャプテンになった頃は、ここまでの成長を想像できなかっただろう。監督不在で、今後についていろんな不安を抱えていた。その時、支えになってくれたのが前キャプテンの宮沢徹だった。昨年、波乱に満ちたなか、キャプテンとして難しい舵取りを任されたが、チームの先頭に立ち、監督不在の予選会を6位で通過させた。 最終的に箱根のエントリーメンバーからは外れたが、それでも腐らず、後方支援に尽力した。おそらく宮澤がいなければ、あそこまで立教大は一枚岩になって戦うことができなかっただろう。その姿を見てきただけに、安藤は宮沢を理想的なキャプテンの在り方として見ていた。 「宮沢さんには本当にお世話になりました。自分がキャプテンになった時は監督不在で難しい時期だったんですが、そういう状況を経験してきた宮沢さんからは常日頃から声をかけていただき、いろいろなお話をさせていただきました。その後も『困ったことがあったらなんでも相談して』と言ってくださいましたし、目立たないところでいろいろやってくださって、本当に感謝しかありません」 安藤は箱根で宮沢たちが勝ち取れなかったシード権を獲得して恩を返し、次の代に繋ぎたいと考えている。 前々回の箱根、安藤は10区15位、前回の箱根は9区18位だったが、シード権を獲るべく今年はどの区間を狙っているのだろうか。 「自分は9区も10区も結果が出ていないので、どちらかの区間でリベンジをして区間一桁を狙いたいと思っています。そうしてシード権獲得に貢献して、みんなで笑わって終わりたいですね」 髙林監督は、箱根本戦について楽観視はしていないが、やる気がみなぎっている。 「今年は箱根のシード権を獲るんだと目標を掲げてきましたが、予選会を突破したことでそれが現実的な目標になりました。シード権を獲るといっても箱根に出場しないと挑戦できないわけで、予選会は何が起こるかわからないですからね。いろんな不安を抱えたなかで、今回トップ通過できたので、箱根では安心してシード権を目標にチャレンジしたいと思います」 予選会では他校をあっと言わせたが、101回大会の箱根駅伝本戦で立教大はどこまでシード校に喰らいついていけるのだろうか。安藤にとっては総決算となるが、予選会でのトップ通過と同じような強さと驚きを見せてくれるに違いない。
佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun