なぜ中国で児童の無差別殺傷事件が相次ぐのか…100年前に魯迅が発していた「警告の中身」
相次ぐ無差別殺傷事件
筆者は2019年6月6日付の記事「衝撃…中国で子供を狙った『無差別殺傷事件』が頻発していた 貧富格差が騒乱につながって…」の中で、中国で小中学生や幼稚園児を標的とした無差別殺傷事件の発生頻度を調査した結果を報告し、中国ではこの種の事件が頻発していると結論付けていた。当該記事を一読いただければ、その頻発度合いを理解いただけると思うが、念の為にその概要を取りまとめてみる。 まず、「2010年3~4月のわずか40日間で無差別殺傷事件が5件発生した。 ・福建省南平市延平区の南平実験小学校<死者:8人、重軽傷者:5人/犯人:男、42歳、無職(元医師)> ・広西チワン族自治区合浦県西場鎮の西鎮小学校<死者:2人、負傷者:5人/犯人:男、40歳前後、職業不詳> ・広東省雷州市の雷城第一小学校<負傷者:16人/犯人:男、33歳、教師> ・江蘇省泰興鎮の中心幼稚園<負傷者:31人/犯人:男、44歳、無職> ・山東省濰坊市坊子区九龍街道の尚庄小学校<負傷者:5人/犯人:男、45歳、職業不詳> 上記から10年以上が経過した2018年になっても無差別殺傷事件は依然として続発していた。記事の執筆時期の1年ほど前からの事件を列挙する。 ・2018年4月:陝西省楡林市米脂県の米脂県第三中学校<死者:9人、重軽傷者:12人/犯人:男、28歳、無職> ・2018年6月:上海市徐滙区の世界外国語小学校浦北校区<死者:2人、負傷者:2人/犯人:男、28歳、無職> ・2018年10月:重慶市巴南区の同区教育委員会直属幼稚園<負傷者:14人/犯人:女、職業不詳> ・2019年1月: 北京市西城区の宣武師範学校附属第一小学校<負傷者:20人/犯人:男、49歳、派遣労働者> ・2019年2月:江西省吉安市の吉安市第八中学校<負傷者:11人/犯人:男、33歳、職業不詳> ・2019年3月:北省唐山市豊潤区の光華道小学校<負傷者:17人/犯人:男、54歳、職業不詳> 同種の無差別殺傷事件は2019年3月以降も続発していた。中国語のニュースサイトを検索した結果、2020年9月末までに国内メディアが報じていた事件は以下の通り。実際は事件はまだまだ多数発生しているはずだが、報道規制が厳しい中国で表沙汰になったものだけでもこれだけある。 ・2019年4月3日、湖南省寧遠県柏家坪鎮の完全小学校<死者:2人、負傷者2人/犯人:男、31歳、職業不詳> ・2020年9月7日、湖南張家界桑植県の十一中学校<負傷者:4人/犯人:男、36歳、職業不詳> ・2020年9月21日、広州市番禺区鐘村街駿興路の中心小学校<重軽傷者6人/犯人:男、47歳、無職>