神経科学者が「AIに仕事を取られたくなければ、働き方を根本から見直すべき」と語る理由 #TrendBuzz
仕事の種類と時間帯をうまく組み合わせる
1日のどの時間帯に、どのような仕事に取り組むかによっても、違いが表れます。したがってマネージャーは、チーム全体や組織全体に、同じ仕事スケジュールを強要しないほうがいいでしょう。 そして、チームや個々人が第一に取り組むべきことは何かを検討すべきだと、Storoni博士は話しています。 創造力や想像力、問題解決を必要とする仕事は、1日がスタートしてからの数時間、ならびに、寝る前の時間帯に取り組んだほうがいいことが、データから明らかになっています。 一方、それらの時間帯に挟まれた日中の時間帯には、すでに持っているアイデアを実行するなど、注意の集中が必要な作業に向きます。 Storoni博士は、こうした仕事に集中する時間帯を、1日のスケジュールに2回、組み込むことをすすめています。1回目は、午前の中盤から終盤の時間帯、2回目は、午後遅くから夕方にかけての時間帯。 こうした「仕事に集中するセッション」前後の合間は、昼寝や、創造性や集中力をさほど必要としない簡単な仕事に充てましょう。
休憩時間を設定して、脳の働きを最大化する
頭も休憩が必要です。ただし、どのような休憩をとるのかが非常に重要です。 休憩をとる1つ目の目的は、脳を休めて回復させ、疲れをとること。 脳が疲労すると、脳内で情報処理が行なわれる際の経路が非効率的になってしまう、とStoroni博士は説明しています。 休憩をとる2つ目の目的は、精神状態を落ち着かせること。 Storoni博士によれば、ストレスが溜まったり、ハイパーアクティブな状態になったり、仕事に集中できなくなったりすると、認知的過負荷の状態になってしまいます。その場合は、負荷を軽減しなくてはなりません。 休憩をとる3つ目の目的は、仕事を再開できるよう、精神を正常な状態に戻すこと。 休憩をとる前に、「自分はどんな気分? 疲れて緊張しているか? それとも、疲れているけど緊張はしていない?」というように自問自答すべきだと、Storoni博士は話しています。「精神は、筋肉と違って、働かせるのを止めた瞬間に、すぐさま休息モードに入るわけではありません」とStoroni 博士は指摘します。 ジムで運動しているときは、重いウエイトを持ち上げるのを止めると、筋肉はリラックスします。 しかし、慌ただしいオフィスでの仕事中、休憩するために散歩に出ても、精神が体と一緒に散歩に出るわけではありません。頭はオフィスに取り残されたままなのです。直前までやっていた仕事が気になって認知的過負荷の状態になっている場合はなおさら、頭が休まりません。