5人のガーデナーが挑んだ「武蔵野の"くさはら"」とは?~第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園 授賞式レポート
「東京パークガーデンアワード」は、美しくサステナブルな公園のガーデンを目指す、東京都主催のコンテスト。丈夫で長生きする宿根草を中心に、四季の変化がすてきなガーデンづくりを競います。 2022~23年に都立代々木公園(東京都渋谷区)で開催された第1回に続き、2023~24年は東京都調布市の都立神代植物公園で第2回が開催されました。書類審査を通過した5人の皆さんが、約70㎡のスペースにガーデンを制作。春、夏、秋と3回の審査を経てグランプリが決定し、その授賞式が11月24日に清澄庭園(東京都江東区)で行われました。 ●目指したのは個性あふれる「武蔵野の"くさはら"」 今回のテーマは「武蔵野の"くさはら"」です。かつてススキやハギなどが背を超えるまでに茂っていた武蔵野。そこに現代的な解釈も加え、豊かな色彩を取り入れながら、5人のガーデナーが新しい風景を制作しました。 ガーデンのスペースは北側(日なた)と南側(日陰)に分かれていて、それぞれの環境にふさわしい2種類の庭を制作する形です。入賞者の皆さんのコメントと合わせてご紹介します。
グランプリ「Grasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン~」古橋麻美さん
みごとグランプリを受賞した古橋麻美さんのガーデンです。一年を通じて華やかさのある"のはら"になっていました。日なたの庭は、グラスや葉のテクスチャーの流れの中で、花が踊っているようにも感じられ、日陰の庭はアスチルベの花後の姿など、秋までずっと美しかったです。 古橋さん「長年メンテナンスをしていて、その強みを生かすことができました。多くの人々に見ていただけるガーデンをつくりたいとずっと思っていたので、1年間とても有意義な時間でした」
準グランプリ「草原は、やがて森へ還る。」吉野ひろきさん
準グランプリを受賞した吉野ひろきさんのガーデン。低木を植え、背景となるカシの木も利用、自然の景色をうまく表現していました。地形に起伏をもたせて風の通り道もつくり、「奥に何かあるのではないか」と草を分け入って行きたくなるような雰囲気のあるガーデンでした。 吉野さん「ふだんは木で森のような庭をつくっていますが、今回は宿根草メインで、私自身にとって大きなチャレンジでした。失敗もありましたが、いつも大切にしていることを表現できたと思います」