5人のガーデナーが挑んだ「武蔵野の"くさはら"」とは?~第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園 授賞式レポート
審査員特別賞「武蔵野の"これから"の原風景」清水一史さん
審査員特別賞を受賞した清水一史さんのガーデンです。日本の在来種を大胆に使い、多様な葉の形やテクスチャーの違いが面白く、じっくり見ていたくなる庭でした。その辺の草っぱらだって、見ようによっては美しい!ということを気付かせてくれました。 清水さん「都内で緑地を計画する仕事をしていまして『在来種は地味』ということをよく言われるのですが、本当にそうなのかな?といつも思っていました。今回は在来種の魅力に光を当てた庭づくりができました」
入賞「花鳥風月 命巡る草はら」柵山直之さん
入賞した柵山直之さんの作品。ウィットに富んだオリジナリティーを感じる庭でした。日なたの庭は草原の広々とした感じが伝わってきました。日陰の庭は、流れのような小道の周りに色々な花が咲き、葉の微細なテクスチャーやグラデーションも美しかったです。 柵山さん「一番の成果としては、1年で命の巡りが見られたということです。ツマグロヒョウモンの幼虫がたくさんついているのを見つけ、数か月後にはたくさんの成虫が飛び交う光景が見られました」
入賞「feeling garden ~伝え感じる武蔵野の新しい風景づくり~」藤井宏海さん
入賞した藤井宏海さんのガーデンです。季節の花がいつも咲き来園者を喜ばせていました。日なたの庭では春にチューリップでワクワク、秋はススキとアスター 'ジンダイ' の取り合わせがステキでした。日陰の庭は光の明暗などデザインの狙いが良く伝わってきました。 藤井さん「私は中学3年生のときから、いつも『笑顔になるような風景をつくりたい』と考えてきました。今回、一から庭をつくってみて、植物の成長の旺盛さに驚かされ、メンテナンスの大切さを改めて実感しました。」
個性あふれる公園のガーデンが続々! 次なる舞台は、都立砧公園
清澄庭園での授賞式では、賞状とメダルの贈呈、審査員による講評、受賞者5名による喜びのコメントがあり、参列者からは大きな拍手が贈られました。 審査委員長の東京農業大学教授・福岡孝則さんは、「みなさん創意工夫を凝らし、個性あふれるガーデンで多くの人を惹きつけていました。ぜひご自身が生活されている地域でチームをつくり、日本中にステキなパークガーデンが広がっていくよう、礎となっていただきたいと思います」と入賞者の皆さんを激励しました。 未来志向のガーデナーたちが、美しくサステナブルな公園のガーデンづくりに挑んだ「東京パークガーデンアワード」。次なる第3回の舞台は都立砧公園(東京都世田谷区)です。新たな5人によるガーデンづくりが12月からスタート、どんな個性が植物たちを輝かせるのか、今後も楽しみです。 「東京パークガーデンアワード」 公式サイト https://www.tokyo-park.or.jp/special/kadan/