勝利しか許されない90分間を支えたのは3年生の意地と執念。太陽王子が背水の陣で掴んだ勝点3の価値 高円宮杯プレミアリーグEAST 柏レイソルU-18×横浜FCユースマッチレビュー
「我々が目標にしているところに届くには、勝点1でも全然ダメだったので、それに向かって『本当に絞り出せ』ということはずっと言っていた中で、最後は何人か倒れていましたけど、今年のチームのレイソルらしさは十分に発揮してくれたんじゃないかなと思います」
チームの指揮を任されている藤田優人監督は試合後、ほんの少しだけ胸を張って、選手たちの奮闘を称える。首位を快走する横浜FCユースとホームで対峙した一戦は、負ければリーグ優勝が大きく遠ざかるビッグマッチ。レイソルのエンブレムを背負った“太陽王子”の中でも、この日はアカデミーラストイヤーに懸けてきた3年生の意地が、ピッチの中で逞しく弾けた。
「もう本当に目標にしてきたものが、この首位相手に勝てないと一気になくなってしまうというゲームの中で、それは自分が言わなくても選手全員がわかっていたので、全員が『本当に勝ちたい』という気持ちで練習からやれていたと思います」
今シーズンのキャプテンを務める3年生の栗栖汰志は、この試合に向かう1週間のトレーニングの雰囲気をそう振り返る。前節終了時点で4位に付けていた柏レイソルU-18と、首位の横浜FCユースの間に横たわるポイント差は9。今節の直接対決の結果次第では、事実上の“終戦”を迎える可能性もあったため、選手たちはいつも以上に気合いを入れて、日々のトレーニングと向き合っていく。
「今週は練習でも結構調子が良くて、コンディションも良かったので、『ベンチに入るぞ』とは言われていて、いつでも行ける準備はしていました」。
後半戦はまだリーグ戦の出番がなかった3年生の石津一輝は、自分にできる最大限の準備を整えていた。開幕戦には後半から登場し、第3節のFC東京U-18戦でもやはり後半に途中投入されたものの、以降の主戦場はBチームが戦う県リーグに。久々にベンチ入りした2週間前の市立船橋高校戦でも最後まで出場機会は訪れなかったが、再びモチベーションを立て直し、この日の試合に挑む18人の枠を勝ち獲っていた。
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