小池百合子都知事、始球式で「剥離骨折」判明 ただの骨折との違いを医師が解説
東京都の小池百合子知事(72)が、6日に明治神宮球場(東京)で行われたプロ野球の始球式(東京ヤクルトスワローズvs阪神タイガース)にて、膝関節を剥離骨折していたことを、東京都が発表しました。 【イラスト解説】中高年必見! 知らないと怖い「膝の痛み」の原因 剥離骨折は気付くのが遅れて適切に治療を行わないと、関節が変形することもあるため注意が必要です。ここでは、剝離骨折の治療方法や治療中の過ごし方について解説します。 ※この記事はMedical DOCにて【「剥離骨折」の痛みの特徴はご存知ですか?治療中におすすめの栄養素もご紹介!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
剥離骨折とは
編集部: 剥離骨折は通常の骨折とどう違うのですか? 甲斐沼先生: 剥離骨折とは外部から受けた衝撃によって、靭帯や腱の結合部分から骨が剥がれて生じる骨折です。医療の現場では、裂離骨折と呼ばれることもあります。骨折にはさまざまな種類が存在しており骨折の原因や程度、骨折部分が皮膚から露出しているかなどによって分けられています。 一般的な骨折は骨が折れている状態を指すのに対して、剥離骨折は骨の一部が欠けて剥がれ落ちている状態です。また、剥離骨折は症状によっては骨折したことに気付きにくい場合があります。例えば突き指だと思っていたが症状が改善しなかったため、医院を受診して初めて骨折に気付くケースも珍しくありません。 編集部: 何が原因で剥離骨折してしまうのでしょうか? 甲斐沼先生: 剥離骨折は外的な要因によって、骨の衝突や摩擦が生じることが主な原因です。指や肘を強くぶつける、ハンマーで作業中に誤って指を叩いてしまったなどのように、強い衝撃が加わったときによく発生します。また、同じ意味として捉えられる裂離骨折は、骨と付着する筋肉が急激に萎縮するのが主な原因です。スポーツなどを行った際、骨と付着する筋肉が急激に萎縮してしまうと、骨が耐え切れなくなって骨折を生じます。なお剝離骨折は、手足の関節などに発生しやすいとされています。加えてカルシウム不足や高齢者のように、骨が脆くなっていると発生しやすい傾向です。 編集部: 剥離骨折の疑いのある症状を教えてください。 甲斐沼先生: 剥離骨折は骨折の状態などによって、症状が異なる場合があります。症状によっては激痛により救急搬送される人もいる一方で、打撲と勘違いして時間が経ってから気付くケースも少なくありません。特に体を強くぶつけたときなどは、ぶつけた痛みの方を強く感じることがほとんどです。ぶつけた痛みが治まってもなお、鈍い痛みが続く様であれば剥離骨折の可能性があります。また、剥離骨折と同じ意味で捉えられる裂離骨折は、成長期に発生しやすいことが特徴です。 現在成長している骨盤などには骨が弱い箇所があり、激しい運動をしたときに裂離骨折を起こしてしまうケースがよくみられます。そのためスポーツで体を動かしたあと、骨盤に強い痛みや動きにくさを感じたときなどは、裂離骨折が発生している可能性があります。そのためスポーツで体を動かしたあと、骨盤に強い痛みや動きにくさを感じたときなどは、裂離骨折が発生している可能性があります。 編集部: 感覚障害や歩行困難になる可能性もあると聞いたのですが… 甲斐沼先生: 剥離骨折をした場合、骨折した箇所の痛みや腫れなどが主な症状です。打撲などが原因の場合には、皮下出血がみられることもあります。ただし症状によっては、日常生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。骨折した部分の痛みがあまりにも強いときは、該当箇所をスムーズに動かすことができません。さらに症状が重い場合には感覚障害や歩きにくさ、立っていることさえ困難になる場合があります。そのようなリスクを減らすためにも、疑わしい症状に気付いたときは早めに医院を受診しましょう。