<ここに注目>強打の山梨学院vs最速146キロ右腕擁する木更津総合 選抜高校野球
◇第3日第1試合 山梨学院vs木更津総合
ともに好投手と強力打線を擁する関東勢同士の好カード。昨秋の公式戦のチーム打率が出場校中トップの4割9厘を誇る山梨学院の攻撃陣が、最速146キロの木更津総合(千葉)の本格派右腕・越井颯一郎(3年)をどう攻略するかに注目したい。 【熱血、スマイル…】センバツに名を刻んだ名将たち 山梨学院は昨秋の関東大会4試合で57安打、37得点。突出したホームランバッターはいないが、下位まで切れ目のない打線が特徴だ。強打者ぞろいの打線を引っ張るリードオフマンの鈴木斗偉(とうい、3年)は俊足で、出塁すれば得点のチャンスが一気に広がる。 木更津総合の越井は力強い直球に加え、同じ軌道から打者の手元で鋭く曲がる高速スライダーが軸になる。昨秋の関東大会で、前回センバツ王者の東海大相模(神奈川)を相手に1失点で完投するなど、高い力を示した。持ち前のテンポの良い投球を発揮できれば、試合の流れを引き寄せられる。 山梨学院は最速144キロ右腕の榎谷(えのきや)礼央(3年)が、投球フォームを改良して一皮むけた。木更津総合の打線は昨秋のチーム打率が3割5分3厘。県大会で4試合連続を含む5本塁打の山田隼(3年)を中心に、積極的な打撃で相手投手に重圧をかけたい。【川村咲平】
山梨学院、投打にスキなし 「優勝に手が届く手応え」
長崎・清峰高を率いて2009年センバツで優勝した経験を持つ吉田洸二監督が「バランスが取れたレベルの高いチーム。優勝に手が届く手応えを感じている」と断言するほど、投打にスキがない。 今大会出場校中トップのチーム打率4割9厘を誇る強力打線の中心は1番・鈴木斗偉(3年)だ。昨秋の公式戦打率は6割2分9厘で、今大会に出場する主力選手でトップ。他にも、兄と同じく山梨学院の主将を務める相沢秀光(3年)、4番の高橋海翔(ひろと)=2年=ら強打者ぞろい。小技を絡めた攻撃も健在で、得点能力は高い。 投手陣ではエース右腕・榎谷礼央(3年)が抜群の安定感を誇る。昨夏から取り組み始めた投球フォームの改造が成功し、「特にカットボールの切れ味が増し、空振りが取れるようになった」と自信を深める。レギュラーのうち7人は下級生だった昨夏も主力を務め、経験値の高さも強み。春夏通じて山梨県勢初となる全国制覇を見据える。