【中学受験相談】干渉しすぎる父親の声かけに対して母はどうすべきか?|VERY
第一志望合格よりも大事なものはたくさんあると全員が認識して家族が成長するきっかけに
オ:そこで論点の3点目はどうでしょう、受験の神様から、「Tさん。今悩んでいるね?あなたの望みを叶えて、魔法でお父さんを変えてあげる。その代わり第一志望を諦めてね」って。そういう究極の質問を、受験の神様が枕元に現れて聞いてきたら?どう答えますか? T:難しいですね。ただ第一志望に受かるかどうかは、最終的には子ども自身の頑張りと運の掛け合わせだなと思っているので、夫のそれがないと受からないなら、それはなくていいと思いますね。上の子を見ていても、勉強そのものに対してはいまだにネガティブな構えをもっているので、それはよくないなと。今はそれに困っているというか。学ぶ楽しさを犠牲にしないでやれるのがベストだなと。 オ:勉強を苦行に思わせて第一志望に行くくらいなら、そうじゃなくてもいいですよと。それは正しいと思います。僕は極度の過干渉というか、教育虐待ってレベルの話も色々と取材していて、なんかね、親ってその時は子どもを傷つけても、何がなんでもいい学校に押し込んであげれば元が取れる、報われると思っているけれど、全然そんなことない。 T:本当にそう思います。 オ:確かにいい学校に通っていれば「すごいね」って言われるかもしれないけれど、それだけのことですよね。一瞬の自尊心っていうか。いい車に乗っていてかっこいいって言われるようなもんで。それが軽自動車でも一緒じゃんって。誰とどこにいくか、それが楽しいかどうかじゃんって。そういうのが本質だと思うんです。傷つけた結果得られるものの違いが、思ったほど大きくない。特にお仕事をされているお母さんなら、感じると思うんです。出ている学校なんてどうでもいいって。 T:そうですね。 オ:でも中学受験していると、そこに大きな違いがあるような錯覚にとらわれる。実際によその子だったら、第一志望じゃないって言われても「いい学校じゃないですか」って普通に思えるじゃないですか。 T:そうですよね! オ:仮にお兄ちゃんの進学先が第一志望じゃなかったとしても楽しい学校生活を送っていたと思うし、「あなたが手を緩めることで娘があと一歩で第一志望に届かなくても、私はあなたを責めないし、あの子もあなたのことを恨んだりしないよ」と。「そこに大きな恐怖を感じるのはやめましょう、中学受験の期間が家族にとって苦痛になるのはもったいないよ」と。「第一志望合格につい過度な期待を持ってしまうなら、それより大事なものを私たちはすでにたくさん持っているよ」と。「大事なものを犠牲にしてまでほしいものなんてないよ」って。そんなこと、夫婦の間で照れくさくて話しにくいとは思うんですが、一気に伝えようと思わなくていいので。 T:はい、折に触れて。 オ:いいタイミングでね。お父さんの気が楽になるような。うーん、相似形ですね。子どもに「ダメダメ」言ってるお父さんに「ダメじゃない!」って言うんじゃなくて、どうやったらダメな状況を抜け出せるかを考える。これもマネジメントしていれば日頃やられていることだと思うんですが…家の中でマネジメントなんてね(笑)。 T:ふふふ、でもそうなんですよね。期待してしまっているんですよね、夫に。 オ:ああそうか、そうかもしれない。さすがですね、お母さん。物事を捉える視野が広いというか冷静というか。とはいえ、お母さんが全部責任を負うことじゃないから、別にブチ切れてもいいんじゃないかと思うんです。で、お父さんもただ高圧的なだけじゃなくて家のことをやるっていうところがね、家族への愛情がある方だと思うので。 T:そうですね。 オ:相手がそういう人なら、ある程度ぶつかっても修復しようって気持ちが働くはずです。 T:ですね。まずは感謝を伝えながら、ちょっとずつちょっとずつ。 オ:さすがですね、まとめまでしてくれちゃって(笑)。お母さん相当仕事できるでしょ?部下50人くらい? T:そんなことないです、20人そこそこの。 オ:すごい!やっぱりね。 T:できるかできないかは別として、こういう方向に進めばいいんだなって思って、心に入ってきて、それだけで整理できる気がします。心が軽くなりました。