名スカウトが総括。昨季ドラフトの成功と失敗
広島の中村奨成はじっくりと下で捕手育成
ブービーグループの「C」には、広島、楽天、西武、阪神の4球団。 「広島は12球団で唯一一人も1軍でプレーしなかった。3位のケムナブラッド誠(日大文理大)、6位の平岡敬人(中部学院大)の2人は大学生だが、出来上がっている投手ではなく伸びシロに期待しての指名だったので、球団からすれば想定内だったのだろう。1軍が優勝しているのだから問題はない。甲子園で肩、足、打撃センスが際立った中村は、木製バットとなりプロのスピード、パワーに苦労しているようだ。そういう意味では、基礎体力をしっかり鍛える広島で良かったのではないか。いずれにしろ時間はかかる」 阪神、西武の2球団は「B´」と「C」の間の評価だという。 「楽天の外れ1位だった地方大学出身の近藤弘樹(岡山商大)がどれくらいやるか注目していたが、球筋が少し素直すぎる。ウイニングショットとなる変化球を一つ手にしたい。阪神は、2位指名の左腕の高橋遥人(亜細亜大)が手元で伸びるストレートで圧巻のピッチングを見せたが、数試合だけ。3位の熊谷敬宥(立教大)、4位の島田海吏というスピードのある野手は、来季矢野監督が積極起用するのだろう。西武は、現状の投手陣を考えると1位の変則左腕の齊藤大将(明大)と、独立リーグ出身の伊藤翔(四国IL徳島)にもう少し期待をしていたと思う」 昨季のドラフトの“その後”を総括した片岡氏は、最後に、こう付け加えた。 「私は、繰り返し口にしているが、最後に笑ってユニホームを脱げるかどうかでドラフトの本当の成否が決まる」 4日後にチームの来季の浮沈のカギさえ握る運命のドラフトがやってくる。