「彼こそがラ・リーガ序盤戦の“時の人”であり主人公だ」若手の積極起用でフリック・バルサが4連勝! 「外様であることがプラスに働いている」との指摘も
そして逆説的に、「外様であることがプラスに働いている」と指摘するのがスペイン紙『スポルト』の元編集長、ジョゼップ・マリア・カサノバス氏だ。 「ジョゼップ・グアルディオラ、ルイス・エンリケ、シャビといったバルサ一派が持つバックグラウンドがないことを、フリックはまったく気にしていない。一見、それはハンディキャップのように思われるかもしれないが、むしろ逆で、過去に縛られることなく、スムーズに別の道に踏み出せる自由を得ることに繋がっている。フリックはクライフィスタ(ヨハン・クライフ主義者)ではないし、バルサのDNAの継承者でもない。ティキタカのことを説明しても、おそらく理解不能な外国語のようにしか聞こえないだろう。フリックは、いわゆるバルサイズムの継承者と言われてきた指揮官たちとは、違うカードでプレーし、異なる戦略を持ち、違うところからインプットする。強靭なフィジカル、献身性、ダイレクトプレーが彼のサッカーのイロハだ」 また、カサノバス氏はフリックの人柄についても、「ごく普通の人間だ。自分を過大評価している人間が少なくない最近のサッカー監督の中では、なかなかいないタイプだ。虚栄心は彼のドイツ人としての性格とは相反するのだろう。まっすぐな眼差しで、周りに安心感を与える」と賛辞を惜しまない。 そしてそれらが融合した結果、“フリック流の攻撃サッカー”の実現に繋がっていると説明するのは、スペイン紙『AS』の前編集長、アルフレッド・レラーニョ氏だ。 「ここまでハイパーアクティブなバルサを目にすることは、なかなかない。伝統的にバルサはスタイリッシュさを重視し、人ではなくボールを走らせることを意識する。ただそれは一度歯車が狂うと、単に怠惰で、エネルギッシュさに欠けるチームに成り下がる傾向があった。しかしフリックのバルサは、気品と熱意を持ってプレーし、即時奪回から一気にゴールに向かう」 ラ・リーガはこれからインターナショナルブレイクで2週間ほどの中断期間に入る。4節を終えた時点での主役は誰かという点において、アルフレッド・マルティネス氏の考えは明確だ。 「キリアン・エムバペ(マドリー)でもフリアン・アルバレス(アトレティコ・マドリー)でも他の誰でもない。ハンジ・フリック、彼こそがラ・リーガ序盤戦の“時の人”であり主人公だ」 文●下村正幸
【関連記事】
- 「支配的なプレー」「驚異的なフィニッシュ」伝統の一戦での勝利にゴールで貢献した前田大然&古橋亨梧に現地メディアは軒並み最高採点!
- 「相手の脅威となった」アーセナル戦の三笘薫に現地メディアは軒並み及第点以上! 対ホワイトの評価は「抑えられた」「相手が苦戦」と二分
- 「彼は我々に大きな喜びを与えてくれるだろう」ベティスがアルゼンチン代表MFロ・チェルソを再獲得! UAEに去ったフェキルの後釜として
- 「ソシエダで最も試合を動かせる選手」「しっかりと抑えられた」 久保建英、巧みなドリブルで先制ゴールを演出したアラベス戦の現地評価は真っ二つ!
- 「バルサでは泣きながら帰宅する毎日だった」クラブ、監督、メディア、ファンのいずれにも見放された19歳FWが“理想の環境”を求めてベティスへ!