山手線は緑色、中央線はオレンジ色。JRの「路線カラー」はどのようにして決まった?
◆現在は窓下のストライプのみが色別に
1973年に武蔵野線が新規開業したとき、車体色がどうなるのか気になった。残るは紫色? との予想もあったがはずれ、中央線と同じオレンジバーミリオンに決まった。青梅線・五日市線も、旧型国電が一掃されて101系、103系が使われているが、中央線への乗り入れもあり、色はオレンジバーミリオンである。 長らくブドウ色の旧型国電が走っていた南武線は過渡期にはオレンジと黄色の混成編成もあったが、最終的には黄色に落ち着いている。鶴見線も黄色の101系、103系が走っていた。関西では、大阪環状線がオレンジバーミリオン、東海道線(京都~大阪~西明石)の各駅停車はブルー、関西本線(奈良~湊町)はウグイス色(正面に白帯追加)、福知山線は大阪~宝塚電化開業と同時にカナリア色の103系が配置された。いずれも、首都圏の路線で使用された塗装ばかりだった。JRが発足して以降、ステンレスの電車が主流となると、窓下のストライプのみが色別となり、101系、103系、201系時代のカラーがそれぞれの路線に引き継がれている。 この記事の筆者:野田隆 名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
野田 隆