創業12年、毎日大行列の名店「饗 くろ㐂」移転で可能性が広がった!
一番人気は「塩そば」です。スープは「岩手鴨」「丹波黒どり」「甲州地どり」「国産豚の背骨」「真昆布」「干し野菜」などを7~8時間煮込んでいます。そして「岩塩」「釜塩」「藻塩」「湖塩」「天日塩」をブレンドしたかえしと鶏油にこのうまみが凝縮されたスープを注ぎ入れます。
こちらでは2種類の麺を選べますが「塩そば」には手もみ麺がおすすめとのこと。小麦は岩手「もち姫」と北海道「ゆめちから」、そして福岡「チクゴイズミ」をブレンド。高加水でもちもちとした食感に仕上げ、ゆでる前に手もみして溶けそうなくらいにゆで上げます。
「特製塩そば」の具材は「鶏胸肉」「鴨肉」「豚バラ」の3種のチャーシューに「シキンボ藁焼き」「親鶏と若鶏のつくね」「ワンタン」「穂先メンマ」「味玉」「ローストトマト」「九条ネギ」「自家製ネギ生姜」「生胡椒」と豪華絢爛。卵は昆布だしに漬け込み、メンマは乾燥から戻して作り、トマトは3時間かけてローストし、温かい具材は直前にスープの中で泳がせてから盛りつける手の込みよう。
これだけ丁寧に盛りつけているのに麺をゆでることから着丼するまでにたったの5分ほど。手で置き台からカウンターへ移して上から見ると、本当にほれぼれする美しさです。丼一つで世界観を完結させるラーメン。日本料理、イタリアン、そば懐石で研鑽を積んだ黒木さんだからなせる業です。
麺はもっちもちでぷりんぷりん。賛否両論あると言いますが、溶けるようで溶けない、この食感は唯一無二です。スープは麺の甘みを引き立たせながら時間が経つごとに具材から染み出る風味によって少しずつ変化し最後の一滴まで存分に楽しめます。なんという隙一つない完成度なのでしょう。
一方の醤油のかえしは小豆島「正金醤油」「ヤマヒサ醤油」「ヤマロク醤油」の生醤油をブレンドして黒木さんが火入れします。香味油は鴨油を使います。
具材は「豚肩ロース」「鶏胸肉」「豚のシキンボ」のチャーシューに「つみれ」「海苔」「大根」「白葱」「春菊」です。珍しいのは大根。「醤油は味がしっかりしているので大根でほっこりしてほしい」と黒木さん。「塩そば」に「ローストトマト」といい、野菜の使い方が本当に上手。