<知的障害者の親の苦悩>「こんな時どうすれば」…強度行動障害を乗り越えるには
当時者・家族の会から学ぶ
筆者の関わっているプラダー・ウィリー症候群に関しては、「竹の子の会 プラダー・ウィリー症候群(PWS)児・者親の会」というものがあり、多くのご家族が加入している。そのほかにも、「22 ハートクラブ(22q11.2欠失症候群のある当事者の方・ご家族の方)」、「てんかん協会(波の会)」などさまざまなグループがある。 自閉症、多動性障害、学習障害に関しては、それこそ各地域に数えきれないほどの家族会・当事者会がある。これらは、孤独に陥りがちな親御さんにとって、貴重な存在である。 プラダー・ウィリー症候群のような希少疾患の場合、近くに同じ疾患の子をもつ親というのは、まずいない。「竹の子の会」等に加入すれば、先輩ママ、先輩パパから、「こんなときどうすればいいのか」のノウハウを伝授してもらえる。 かくいう筆者も多数の親御さんと診察室で話してきたので、親御さんから知恵を授かって、それを他の患者さんにお伝えしている。プラダー・ウィリー症候群についての必要な知識のほとんどは、親御さんの経験から学んでいるのである。
支援事例集から学ぶ
障害者の親御さんのなかには、地域的に当事者会・親の会に参加することができない人も多いだろう。その場合、行政の支援を受けることは当然だが、それにくわえて、インターネットにアクセスして、「強度行動障害 支援 事例」の3語で検索することをお勧めする。 そこには、厚生労働省、自治体、施設などに集積された豊富な支援事例が紹介されている。具体例の数々は、あなたのご子息・お嬢様にそのままあてはめるわけにはいかないが、それにもかかわらず、示唆に富む知恵の数々がそこに記されている。ご子息・お嬢様のために、参考になるはずである。
井原 裕