スペイン王室が危機!? 君主制度存続への険しい道を専門家が解説
王室存続に対する国民の総意は
これはスペインのファシスト独裁者フランコが父を次期国王に選んだ年の1年前に生まれたフェリペにとって大きな賭けだ。フアン・カルロスの屈辱的な退位は、スペイン王室の不安定感、そして王室の不確かな運命をさらに強めるものだった。 「Clarin」のインタビューで、デル・ブルゴは、次の総選挙が行われる2027年以降も王政が存続するとは思えないと語った。共和主義はスペインで根強い勢力であり、6月にはマドリードで数千人が抗議活動を行っている。人々はフェリペの肖像を共和制の旗に投げつけ、「Los Borbones a los tiburones!」(ブルボン家をサメの餌食にしろ)と叫び声をあげていた。 しかし、ある程度世間に広がる不満やデル・ブルゴの努力にも関わらず、私が話した人の中ではそのような悲観的な見通しは共有されていない。今日、スペインでは王室の支持率は公表されていないが、サルサレホスは民間の世論調査結果は王室存続に肯定的だと語っている。 写真/退位前の2011年、フアン・カルロス国王と孫8人全員を含む王家のポートレート。
スペイン王室の救世主として注目されるレオノール王女
ペレス=マウラは、レティシア王妃は引き続きキーパーソンであると考えている。しかし、たとえデル・ブルゴの主張を退けることができたとしても、今後、スペイン王室の存続を決めるクイーンは彼女ではない。 王室夫妻にとって困難な年は、長女で王位継承者であるレオノール王女が18歳で成人する時期と重なった。フェリペ国王の治世10年を記念して行われた夏の写真展で、レオノール王女は人々の注目を集め、名門サラゴサ陸軍士官学校に入学する傍ら、公務も開始した。 「彼女は年に一度以上は公の場に姿を現しませんでしたが、この1年半で姿を現して以来、とてもかわいらしい様子で、国民の注目を集めています」とペレス・マウラは言う。「彼女は今、家族にとって最大の財産です」 写真/8月に海軍士官学校に入学したレオノール王女。150年以上ぶりにスペインの王位を継承する女性となる。