Pinterest の再興:オンラインショッピング強化と広告市場への復帰
AI投資が生んだ急成長
これはPinterestにとって、昨年Amazon Adsとの契約を発表して以降、2番目となるサードパーティの広告提携である。 レディ氏は昨年のショップトーク(Shoptalk)にて、特に若者を中心とするユーザーに与える心理的影響に関して厳しい監視の目が向けられているTikTokのようなソーシャルメディアアプリに代わるものとして、Pinterestを売り込んでいる。これは、同CEOがブランドや小売業者にPinterestで商品を宣伝するよう説得を試みるための別のやり方である。 この変化は実を結び始めている。4月末、Pinterestは第1四半期決算で売上高を前年同期比23%増の7.4億ドル(約1156.8億円)と報告し、ウォール街を驚かせた。 Pinterestはまた、世界の月間利用者数が前年同期比12%増となり、5億1800万人に達している。5億人を突破したのは初めてだ。 「AIとショッパビリティへの投資のおかげで、当社は広告主にさらに大きなリターンをもたらし、パフォーマンス予算へのアクセスを獲得している」とレディ氏はプレスリリースで述べている。 これは1年前の同時期とは対照的である。当時、米モダンリテールでは、広告代理店のトップが広告予算からPinterestを削減すると述べたと報じている。小売業者が景気後退の可能性に備えるなか、広告主いわく、ブランドは長い間ブランドの売上獲得に苦戦していたPinterestのようなトップ・オブ・ファネルのチャネルではなく、ボトム・オブ・ファネルのマーケティング投資に重点を置いていた。 「昨年後半は、たしかに例年よりも少し軟調だった」とジョンストン氏は述べている。だが一部のブランドがPinterestから手を引くなか、このアプリに固執するブランドはプラットフォームへの投資を増やしたという。 その戦略が追い風となっている小売業者もある。ジョンストン氏によると、あるファッションブランドでは、広告の想起率(広告を見た後、オーディエンスがどれだけその広告を覚えているかを示すもの)が昨年の第1四半期を上回る25%上昇した。また、購買意欲も前年同期比で10%上昇している。