最速144キロの青森山田・下山が「最後の砦」、夏甲子園を知る頼れる右腕【昨秋輝いた球児たち】
昨年夏の甲子園で4強に入った青森山田(青森)は、新チームとなった昨年秋の東北大会で準優勝を果たし、今年のセンバツ出場をほぼ手中に収めている。悲願の初優勝を視野に入れ始めた今年のチームのマウンドを支えるのが、背番号1の下山 大昂投手(2年)だ。 下山の青森、東北大会の投手成績 昨年センバツでは、ベンチ外で悔しい思いをしたが、補助員としてグラウンドに立つことができ、甲子園練習ではマウンドでも投げた。貴重な経験が「この場所で投げたい」というモチベーションにもなり、夏に急成長した。関 浩一郎投手(3年)、桜田 朔投手(3年)に次ぐ、「第3の男」として背番号11を背負ってベンチ入り。夏の甲子園3試合で先発して、4強入りに大きく貢献した。 新チームで上級生となってからは、試合を締める役として、継投の最後に登板する「抑え」としてチームの勝利に貢献してきた。青森大会、東北大会通じて、9試合すべてで、継投の最後に登板。青森大会5試合9回で自責0(失点1)、東北大会では4試合12回1失点と、ほとんど失点がない安定した投球だった。 最速144キロの重い球質の速球が武器だ。172センチで、76キロと重みを感じる体格から投じる直球は「ズシン」という言葉がピッタリあてはまる。左足に重心を移動させる際、極限まで左肩が開かない。このフォームが直球に威力を生み、制球力にもつながっている。調子がいい時の低めへの直球は、「糸を引くよう」な球筋となり、手が付けられない。 誰よりも経験があり、どんなピンチにも動じない。青森山田の投手陣の「最後の砦」として、下山が相手の前に立ちふさがる。