〈隠し子〉や〈行方不明者〉はどうなる?「遺産分割の基本ルール」を相続専門税理士が解説
通常、遺産の分配は家族の話し合いによって決められますが、ときには取り分をめぐってトラブルになる場合もあります。しかし、遺産分割については、誰にどれくらい分配できるかという目安があらかじめ決まっています。このルールを知っておけば、ある程度遺産争いを避けることができます。本記事では、遺産相続で誰にいくら分配できるかについて解説していきます。 【ランキング】都道府県「遺産相続事件率」…1~47位
故人の遺産は遺産分割協議で分配する
亡くなった人の財産は遺族どうしで話し合って分配します。遺産を分配するために行う遺族どうしの話し合いを遺産分割協議といいます。ただし、故人が遺言書を書いていて遺産の分配方法を定めていれば、遺産分割協議をせずに遺言のとおりに分配します。遺産分割協議が必要な場合と必要でない場合をまとめると以下のようになります。 遺言書では「遺産の半分を妻に、残りの半分を長女に相続させる」というように、遺産の分配割合だけが指定されている場合があります。これを包括遺贈といいますが、包括遺贈ではどの遺産をどのように分けるかを遺産分割協議で決める必要があります。 相続人が全員相続放棄した場合は相続人がいないことになり、相続財産清算人のもとで手続きを進めます。 遺言のとおりに遺産を分配する場合は遺留分に注意 遺留分とは、遺産を相続できる最低限の割合のことです。遺言書で遺産の分配がどのように指定されていても、亡くなった被相続人の配偶者と子供(子供がいない場合は両親)は遺留分に相当する財産をもらうことができます。 遺産分割協議にはいつまでにしなければならないという期限はありません。ただし、相続税申告の期限は死亡から10ヵ月以内であるため、相続税申告が必要な場合は遺産分割協議をできるだけ早く行う必要があります。 また、相続税申告が必要ない場合でも、相続人が特別受益や寄与分を主張できるのは、原則として死亡から10年以内となっています。長期にわたって遺産分割協議がまとまらない場合は、注意が必要です。