ファッションで振り返る2024年。記憶に残る4つの瞬間
リテール業態の変革期
高級マルチブランドリテーラーとして愛されてきた「マッチズファッション」が、フレイザーズの買収からわずか2カ月で破綻処理に追い込まれた。このニュースは業界に大きな衝撃を与えたが、暗い話題ばかりではない。「ドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market) 」は創業20周年を迎え、個性や独自の視点、そして専門性を持つ店舗への需要が依然として健在であることを証明した。消費者が求めるのは、単なる買い物以上の体験やストーリーであり、ユニークなリテール業態は今も輝きを放っている。
伝説のショー
ファッションショーの存在価値を証明した一夜、ジョン・ガリアーノの「メゾン マルジェラ」“アーティザナル”ショーは、その圧倒的な没入感と超越的な美しさで、「ファッションショーがいまだに必要な理由」を強烈に示した。その結果、このショーは瞬く間にバイラルとなり、大きな話題を呼んだ。 しかし、この壮大なショーはガリアーノにとって「メゾン マルジェラ」での最後の舞台となった。彼は10年間務めたクリエイティブディレクターの座を退くことを発表し、感動的な声明を発表。「時が来れば、すべてを明らかにする」と予告しつつ、その今後の展望に期待を抱かせる一言を残した。ジョン・ガリアーノという巨星の次なる動向に、ファッション界の視線が集まっている。