【クラシック オブ ザ デイ】歴史上最もクールでカッコいいワーゲン?シロッコGTIって何?初代「VW シロッコ GTI」物語
結局シロッコは大ヒットになったかどうかは別として、ジョルジョット ジュージアーロがデザインした初期モデル、フォルクスワーゲン社内デザインの2世代目モデルを経た後、よりスポーティに振ったコラードに席を譲ったがあまり成功とはならず、結局再度シロッコの名前を復活させて3代目がその後発表された(……が、これも消えてしまい、今に至る)。 もちろん一番スマートで格好良く、今見てもいいなぁと思うのは、今回紹介されている初期のモデルで、そこにはジョルジョット ジュージアーロの才能を感じざるをえない、シンプルで機能的な美しさがあるし、ゴルフというベースをもとに、実用性をできるだけ損ねないまま、ここまで違った作品を生み出すことのできる手腕はやはり天才的なものなのだと思う。 蛇足ながらシロッコの名前の由来は皆さんご存じかもしれないが、北アフリカから地中海に吹き抜ける「風」であり、「暖房などのシロッコファンのシロッコ」のことである。さらに蛇足ながら角2灯ライトと丸目4灯ヘッドライトがあるが、ヨーロッパではLS以下の下位グレードが角2灯で、TS以上のグレード及びUS仕様は丸目4灯ヘッドライトとなる。当時ヤナセから日本に正規輸入されたシロッコは角2灯で、MTとATの両方が選べたが、言うまでもなくフォルクスワーゲン ゴルフよりもずっと高価で、街で見かける頻度も少なかった。だから普通のシロッコでも十分に希少な輸入車だったから、GTIに遭遇することは滅多になく、令和6年6月現在、日本で流通している初代シロッコGTIは皆無。普通のモデルが「価格応談」で一台売られているに過ぎない状況となっている。 それにしても、たまにイベントなどで見かける初代シロッコはなんとも小さくシンプルで驚く。全長は4メーター以下だし、幅だって1,625mmにすぎない。そしてその車重にいたっては、最新のマツダロードスターより100kg以上も軽い、900kg以下である。 コレステロール値がさく裂し、「2トンは当たり前」のようなSUVやBEVが走り回る街でごくまれに見かけると、本当に爽やかな一陣の風のようにも感じるシロッコである。
Matthias Techau and Andreas May
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