妄想にもほどがある! どうやったら中条あやみに逆プロポーズされるのか!?
「一人ひとりの感情にこれだけ寄り添った脚本って見たことがなかった」(中条)
樋口 後半はとにかく怒涛の展開で、こんなこと起こるんだ! って度肝を抜かれました。中条さんも、脚本を渡されて驚かれたんじゃないですか? 中条 脚本を最初に読んだ時は、早希ちゃんや竜太郎さん、いろんな人物の目線で物語を描きながら、それらが一つにまとまって終わりに向かっていく感じが素晴らしいなと思いました。登場人物一人ひとりの感情にこれだけ寄り添った脚本って見たことがなかったし、すごくリアルだと思ったんです。だからはじめ、何人かで脚本を書いたのかなって思いました。 樋口 そうなんですね! 中条 監督に聞いたら、7年ぐらいかけて温めて描いたっておっしゃっていて。すごく監督の思いが詰まった作品ということが伝わってきて、ぜひやらせていただきたいと思いました。あとこの物語が、台風の時にニュースで見た「尼ロック」(尼崎閘門)から来ているのも面白いなって。そういう目線で家族の物語を描くって、なかなかないですよね。 樋口 僕は今回初めて「尼ロック」を知りましたが、兵庫県一体を守る水門であり、今作では市民を守ってくれる心の拠り所の象徴として描かれています。それが竜太郎に重なって、早希や優子にも浸透していくところが、うまい構成になっているなって思って見ていました。撮影はどんな感じだったんですか? 中条 監督は、自由にやってみてっていうスタンスでした。撮影はセットではなく本当のお家をお借りして、撮影の合間もそこで鶴瓶さんや江口さんたちとずっと寛いでいたので、家族のイメージがすごく湧きやすかったです。映画の中で、早希ちゃんが竜太郎さんに定食屋さんでプロポーズするシーンがあるんですけど、休憩時間はその定食屋にみんなで行ってご飯食べたりしてましたね。
樋口 確かに、食事のシーンが多かったですね。 中条 はい。今回の撮影で、ご飯を一緒に食べることってすごく大事で、心が通う瞬間だなって改めて思いました。 樋口 コロナ禍はできなかったですしね。それは映画からもすごく伝わってきました。それにしても「どうやったら中条さんに逆プロポーズされるのか⁉」って見ていて思ってました。あ、僕はそんな身分不相応なことは言わないですよ、虫ケラですから。LEONオヤジ代表として何かアドバイスをいただけないかなと……。 中条 虫ケラ⁉(爆笑) もう十分素敵ですよ。鶴瓶さんと同じ福耳を持ってらっしゃるし、すごく気持ちに寄り添ってくださるじゃないですか。 樋口 もったいないお言葉です。見せかけだって妻に言われます。ああ、今日はよく寝れそうです。 中条 アハハ(笑)。でもやっぱり思いやりって、長く一緒にいるうえですごく大切なことだなって思います。その時はなかなか気づけないものですから。