50代で故郷・石川県能登への「移住」を決意。義母を看取って離婚、実母と暮らしたい気持ちに
マンガ家、イラストレーターのなとみみわさんは「地元を出たい!」という思いから故郷・石川県能都町を離れて上京しました。義母の介護を経て、49歳で離婚。強烈な孤独と寂しさに苦しんだ経験をし、53歳となった昨年3月に石川県にUターン移住を決めました。地元の新聞での連載や講演会など、マンガ家としての活躍の幅を広げながら、今年9月には念願だったキッチンカーを開業! 今回は、なとみさんに50代を超えてから大きな決断とライフスタイルの転換をできたきっかけについて伺いました。 【写真】なとみさんが始めたキッチンカー
50代で石川県へのUターン移住を決意。決断したきっかけ
――9月に発売したコミックエッセイ『老後のお金が不安です! おひとりさまマンガ家の50代からの資金計画』(扶桑社刊)では、老後のお金への不安から、今後の人生計画を考えて石川県へのUターン移住を決める経緯も描かれていますね。「ずっと東京に住む」と考えていたなかでで大きな決断ができた理由はなんだったのでしょうか? なとみみわさん(以下、なとみ):老後資金を考えるうえで、自分が将来なにをしたいかと真剣に向き合っていたら、現在は高齢者施設に入っている母と暮らしたいという思いがふっと湧いてきたんです。 義母の介護をしている間も、実母のことがずっと気がかりだったし、離婚を機に、自分が極度の「寂しがり屋」だということがわかって(笑)、母や姉の近くでまた暮らせたら楽しいし、なにか助けられることもあるんじゃないかなと。東京で暮らすより、家賃も安くなるしね(笑)。 義母が亡くなって、離婚をして、自分もがんを患って…「人は死ぬ」「人生なにがあるかわからない」ということを身をもって知りました。だれかを信じて頼っていたとしても、その人は自分自身ではないから、思うように動いてくれるわけではない。「あなたが○○しろって言うからやったのに」なんて責任を押しつけても仕方ないわけで。 離婚して、孤独や寂しさも含めて徹底的に向き合って、自分の決断に自分で責任を持つという覚悟ができた気がします。「失敗した」と後悔しないために、自分自身が楽しんで進める道かどうかを基準にしてものごとを決めることができるようになりました。