女性のイライラ最大の理由は「生理」7万人調査で判明 30~40代子供、50代肩こりも
20~50代女性が感じる心身の不調の要因の一つは「生理」-。小林製薬(大阪市)と近畿大東洋医学研究所の合同研究チームが10~70代の女性約7万人を対象に行った分析調査で、そんな結果が明らかになった。検査などでは明らかにならない心や体の不調「不定愁訴」の原因や具体的な症状を知ることで、女性自身が心身の異変に気づきやすくなるとともに、早期に適切な対処につながることが期待できる。 【比較してみる】月経困難症の主な治療は2種類ある 分析には、同社がインターネット上で運営する女性向け健康相談サービス利用者のうち、公表に同意を得られた約7万人の回答を利用した。 研究チームはこのうち、心身の不調に関する質問で多くの人が「イライラする」と回答したことに着目。イライラの要因を明らかにするため、自由記述の項目で「イライラ」と共に使われている単語の出現頻度を文字の大きさで示す「ワードクラウド」と呼ばれる手法で可視化した。 その結果、20~50代女性では、いずれの年代でも「生理」が最大の要因だった。20代ではこのほか「仕事」といった単語も頻出。子育て世代の30~40代では「子供」や「家族」などの単語がみられた。 一方で50代では「閉経」や「動悸(どうき)」「肩こり」などの単語もみられ、ライフステージによって女性の心の不調の要因が変化していくことが示された。 同研究所の武田卓(たかし)所長は「ホルモン変動がある女性は男性と比較して心身の不調をきたしやすい。その一生の中でのさまざまな変化をとらえた報告は世界的にも少ない」と研究の意義を強調。その上で、「女性活躍社会の促進にはこうした疾患があることを社会全体で共有することが重要だ」と指摘した。