遭遇率の高いホテルや間違えやすい虫、トコジラミの疑問を専門家が解説
旅にはあまり華やかでない一面もある。トコジラミはホテルのマットレスの中に住み着いたり、荷物の中を移動したり、公共交通機関の座席の布地に潜り込んだりする。だが、実際に旅先でこの厄介な吸血昆虫に出くわすことはどのくらいあるのだろうか? 睡眠改善製品を取り扱う米スリープドクターが行った調査によると、米国人旅行者の7人に1人(14%)が過去1年間にトコジラミを見たと報告。うち20%は5つ星ホテルに宿泊していた。 パリで昨年、ファッションウィークとトコジラミの大量発生が重なった際には大混乱が起きた。報道機関が大きく取り上げたため、旅行者は警戒を強めたようだ。夏の旅行シーズンを前に、本稿ではトコジラミに関する専門家の知識を紹介しよう。 ■旅先でトコジラミに遭遇する確率は? 米フロリダ州タンパベイにあるトコジラミ駆除業者BBEのアラン・ボッセルは、ホテルでは宿泊客の入れ替わりが激しいため、旅行中にトコジラミに遭遇することは比較的よくあることだと説明する。場所によって遭遇率は異なるかもしれないが、国際的な人の移動が増えるにつれ、トコジラミは世界中で根強い問題になっているとした上で、「大規模な国際イベントは、トコジラミにとって生存可能な宿主がたくさんいる新たな地域を見つけるための絶好の機会なのだ」と述べた。 クリストファー・ジョンストン弁護士によると、ホテルでトコジラミがまん延した場合、ほとんどのホテルは宿泊客を移動させ、影響を受けた階全体を燻蒸(くんじょう)消毒することになる。大規模なホテルは部屋数が多いため、それほど難しいことではないが、小規模なホテルでは閑散期になるまで本格的な燻蒸消毒ができない場合もあるという。 では、旅行者が過去1年間にトコジラミを見た宿泊先について、スリープドクターの調査結果を見てみよう。調査の中で、回答者は複数の選択肢を選ぶことができた。 1つ星ホテル(9%) 2つ星ホテル(16%) 3つ星ホテル(38%) 4つ星ホテル(30%) 5つ星ホテル(20%) モーテル(20%) 朝食付き民宿(10%) 貸し別荘(19%) ユースホステル(4%) 米害虫駆除業者ブラック・ペスト・プリベンションのニコル・カーペンター社長によると、6~10月にかけての繁忙期は特にホテルなどの宿泊施設でトコジラミに遭遇する確率が高くなる。