退団示唆も移籍先はある?ラッシュフォードの厳しい状況を現地記者分析「行く末が暗いことはわかっているはず」
マンチェスター・ユナイテッドFWマーカス・ラッシュフォードについて、イギリス『BBC』の記者が分析している。 【順位表:プレミアリーグ】 マンチェスター・Uの下部組織出身で、これまで公式戦426試合で138ゴールを奪ってきたラッシュフォード。FAカップとリーグカップを2回制覇、ヨーロッパリーグ優勝も経験すると、昨年には2028年までの長期契約を結んでいる。 しかし、近年ではピッチ上でのパフォーマンスに加え、ピッチ外での行動に批判が集中。エリック・テン・ハーグ前監督の下では、3度にわたって規則違反による先発落ちやベンチ外の処分を受けた。そして、ルベン・アモリム監督の下で迎えた15日のマンチェスター・シティ戦(2-1)でもメンバー外となり、指揮官は振る舞いに対して不満を示唆。すると17日、ラッシュフォード本人は「新しい挑戦、次の一歩を踏み出すための準備はできている」と退団も匂わせ、現地で物議を醸している。 そんな27歳FWについて、『BBC』のサイモン・ストーン記者は「彼は現実主義者であり、自分の行く末が暗いことはわかっているはず」と指摘しつつ、「ここ数年は自分が発揮できるレベルを遥かに下回ってきたと言っても過言ではない。仕事に対する姿勢も繰り返し批判され続けてきた」とし、さらに「彼は不当に標的にされていると主張する人もいるだろう。だが、生活面の部分は変わらないはずだ。そして彼は結果を出さなければならないが、何年もできていない」と現状が厳しいことを分析している。 また同記者は、ラッシュフォードがマンチェスター・U内でも最高給の週給30万ポンド(約5840万円)以上を受け取っており、その影響から移籍先が非常に限られていると分析。噂に上がるアーセナルは「必要なのはセンターFWだが、本人はそこでのプレーが好きではない」とし、パリ・サンジェルマンも「常にそうした噂から距離を置いている」と指摘、さらにサウジアラビアへの移籍は「本人がその計画を受け入れていない」と伝えている。一方で、「給料の一部負担によるレンタルは考えられる。だが、ユナイテッドはPSR(プレミアリーグの収益性と持続可能性に関する規則)の遵守を繰り返し語っており、一部を負担までして他クラブでプレーさせるのは逆効果だ」との見解を示した。 そしてストーン記者は「移籍の可能性は低い」としつつ、その上で「ラッシュフォードはユナイテッドに残れるのか?」と題して3つのポイントを挙げた。 1つ目は「アモリム監督が求める要求に応えること。これは努力の問題であり、簡単でもある」としたが、2つ目は「システムにフィットできるか。これは少し難しい。ポジションの問題もだが、指揮官がボールを支配して全体を高い位置に押し上げることを目指す中で、彼の特別なスピードの価値は低くなる」と分析。最後に、3つ目として「影響力のある交代選手としての役割を受け入れること。だが、キャリアのピークに近づいていることを考えれば、その道も難しいとわかるはずだ」とつづっている。 マンチェスター・Uでの序列が低下し、退団も示唆したラッシュフォード。しかし、移籍先を見つけるのも難しい状況であるのかもしれない。