パナソニックHD、35年までにAI関連売り上げ比率を30%に拡大へ
(ブルームバーグ): パナソニックホールディングスは8日、米ラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES2025」で、2035年までに人工知能(AI)を活用したハードウエアやソフトウエア、ソリューション事業の売上比率を現状の数パーセントから約30%に引き上げる方針を発表した。
達成に向けて、同社はAIを活用したビジネスへの変革を加速する。CESでは、米オープンAIの対抗馬と目される米スタートアップのアンソロピックとの協業を発表し、今年から北米でウェルネス(心身の健康)を支えるサービスを開始する計画を明らかにした。
パナソニックHDは家電や車載用電池から航空機向け電子機器まで多様な事業を抱えるが、AIを活用した事業は21年に買収した米ブルーヨンダーのサプライチェーンマネジメントなど一部にとどまっていた。日立製作所やNECなど他社もAI関連サービスを強化する中、さまざまな事業にAIを掛け合わせることで効率性や成果を高める考えだ。
楠見雄規社長は昨年12月のインタビューで、製品やサービスだけでなく、業務でもAI活用を推進すると説明。「AIをフルに活用した暁には仕事のやり方は変わるし、結果として固定費構造が変わる」と述べていた。
対話型AI「クロード」を提供するアンソロピックと協業するサービスは「Umi」と名付けられ、個人や家族を対象に、生活習慣や栄養面などの改善に向けた提案や支援を行うコーチのような存在になることを目指す。
アンソロピックは生成AIブームの火付け役となった米オープンAIの元従業員らが21年に設立。米アマゾン・ドット・コムが累計80億ドル(約1兆2600億円)を出資するなど、注目を集めている。
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Yuki Furukawa, Reed Stevenson