ロシア極東、極北のミサイル移動 ウクライナ戦に転用か、衛星画像
ロシア軍が昨年、極東サハリン州や核実験場がある北極圏ノバヤゼムリャ島に配備した防空ミサイル部隊を相次いで他地域に移したことが26日分かった。ロシア軍事に詳しい東京大の小泉悠准教授が衛星画像を分析した。ウクライナ戦で不足する防空網の穴埋めとして、ロシア本土に再配置したとみられる。ロシアが戦闘継続に向け、遠隔地からも兵器を集めている状況が浮かび上がった。 北方領土の択捉、国後両島に駐屯していた防空ミサイル部隊も島外に移ったことが判明している。ウクライナ軍の攻撃に備え、同じく本土に再配置したもようだ。 小泉氏は「極東や極北のロシア軍の防空態勢は部隊の引き抜きで大幅に低下している」と指摘。サハリン州とノバヤゼムリャ島の部隊が移動したのは、昨年6月のウクライナ軍による反転攻勢開始の前後だった。 サハリン州南部ドリンスクの軍飛行場脇には地対空ミサイルS300かS400を持つミサイル連隊が駐屯していた。