AGI(汎用人工知能)とは何かを解説、従来型AIとの違いや法規制の必要性とは
ChatGPTをはじめ、昨今はAI(人工知能)が身近な存在になりつつある。現在はAGI(汎用人工知能)にも注目が集まっているが、従来のAIと何が違うのか。AGIにより、世界はどう変わるのか。本記事では、AGIの基本情報をはじめAGIの能力によって何が期待されるか、また社会にどのような影響を与えるかについて、起業家・AIエンジニアの安野 貴博氏の解説と合わせて紹介する。 【詳細な図や写真】AGIは自主的に学習ができる(Photo/Shutterstock.com)
AGI(Artificial General Intelligence)とは何か?
AGIとは「Artificial General Intelligence」の略で、定義は諸説あるが、自己学習を繰り返しながら成長する、人間のような汎用的な知能を持つ人工知能を指す。いわばAIの発展形であり、知能水準は人間と同等、もしくはそれ以上とも言われている。 では、AGIの特徴や従来のAIとの違いについて見ていこう。 ■汎用的な知能を持つ人工知能 AGIには、3つの特徴がある。1つ目は、汎用性の高さだ。 従来のAIは、特定のタスクを処理する能力に長けていた。AGIは特定の領域に特化していない代わりに、多種多様なタスクや問題に対応できる能力を有しており、活躍できる場面が多い点が特徴だ。 2つ目は、学習能力と適応力にある。従来のAIは、あらかじめラーニングした範囲でしか成長できなかったが、AGIは自主的に学習ができる。また、取得した情報やデータをもとに自己進化もできるため、変化する環境に適応する能力が高い。 AGIとASIについて、安野氏が動画でも詳しく解説しています 3つ目は、判断と意思決定能力だ。自律思考や状況判断が可能なAGIは、人間が介入せずともスムーズに作業を進められる。将来的には、人間の労働時間を減らす、アシスタントとして従業員の仕事を手伝うなどの活躍も期待できるだろう。 ■AGIとAI、ASIの違い AGIと混同されがちな存在として、AIやASI(人工超知能)の2つが挙げられる。両者はどちらも人工知能に分類されるものの、詳細は異なっている。 AGI・AI・ASIの具体的な違いは、下図のとおりだ。 安野氏によると、ASIとAGIに大きな違いはないとしつつも「AGIが人間並みの知能を持つとされるのに対し、ASIは人間を超える知能を有するとされます。つまり、AGIよりもさらに高度な能力を持つ存在としてASIは定義づけられています」という。