倒産件数が「11年ぶりの1万件突破」濃厚に!今年下期の倒産で「話題の8社」とは?【帝国データバンクが解説】
【9月】 ●ガクエン住宅(東京) 葛飾区、足立区をメインエリアとして新築の戸建住宅の販売を中心に手がけ、ピークとなる2002年5月期には年売上高約92億円を計上。2020年には新築分譲住宅の供給数が5000棟に達していたが、不動産価格の高騰もあって土地仕入れが難航するなど売り上げは減少。 営業の中心を担っていた創業者である会長が今年4月に死去したことで事業継続を断念し、自己破産を申請した。負債は約41億800万円。 【11月】 ●日本電解(東証グロース、茨城) 車載電池や回路基板に使用される電解銅箔の製造を手がけていたが、米国子会社の経営難や同社への貸付金回収難などが原因で民事再生法の適用を申請。負債は約147億6100万円。上場企業の倒産はプロルート丸光(東証スタンダード、23年12月会社更生法)以来で2024年初となった。 ●原ヘルス工業(東京) 温浴器「バブルスター」の製造・販売を手がけ、創業社長や有名俳優が出演するCMで知名度を上げて89年10月期には年売上高約630億円計上。しかし、行き過ぎた販売手法が問題視されるなど業績が悪化。91年頃には支払いに支障を来す状態となり、以後は業容を大幅に縮小していた。特別清算開始命令を受け、負債は約85億1835万円。バブル期に流行り、バブル崩壊とともに消えたバブルスター。かつてのCMは今もYouTubeでみることができる。 ●サムデイ(東京) 藤原紀香や篠田麻里子ら約20人が所属する芸能事務所。代表はかつてお笑いコンビ「とんねるず」のマネージャーを務め、「とんねるず」の独立を機に同氏も当時の事務所を退所して同社を立ち上げた経緯がある。新型コロナの影響で仕事量が減少するなか、表面化していない複雑な問題を抱えていたようだ(現在調査中)。従業員やタレントに何も知らせないまま自己破産を申請。負債は約2億9600万円。破産後、所属タレントがSNSに思いを記している。 【12月】 ●BALM(旧・ビッグモーター、東京) 全国に中古販売店「BIGMOTOR」を展開して2023年9月期には年売上高約5398億円を計上。しかし、23年7月に保険会社に対する修理代の水増し請求が発覚。その後も多くの問題が表面化して自主再建が困難となり、今年5月に中古販売事業をWECARSに継承。その後は任意で債権者への弁済計画を策定していたが困難な状況となり、裁判所関与のもと早期の弁済計画策定を進めるべく、民事再生法を申請した。負債は約831億円。なお、元社長の東京・目黒の大豪邸(ソニー創業者の元邸宅)は10月に都内の不動産会社に売却されている。