「なんか面倒…」な感覚が大きなヒント!仕事のムダな作業を減らすための、マジメに手を抜くトヨタ流2ステップ
仕事のムダな作業時間を減らすこと。 誰もがそれをしたいと思いつつ、何がムダか、どう減らせばいいのか、そんな悩みは尽きない。 【画像】「マジメ×手抜き」は2ステップで進める そのカギとなるのが「なんか面倒だな」という自分の感覚。それが、ムダを見つける大きなヒントとなるのだそうだ。 「ムダ」を削ることで費やす時間や労力「投入量(インプット)」を減らし、仕事を効率化することができ、それが仕事力カイゼンの第一歩になる。 トヨタグループで学んだカイゼン手法を一冊にまとめた、森琢也さんの著書『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(青春出版社)から、「マジメ×手抜き」でムダな仕事を減らすのがトヨタ流を一部抜粋・再編集して紹介する。
堂々と「手を抜くこと」から考える
この項のポイントは「膨大な仕事に押しつぶされない賢い手の抜き方」。 日々押し寄せてくる膨大な仕事。やみくもに頑張るだけではとても終わりそうもない。 そんなときは、堂々と「手を抜くこと」から考えてみましょう。 とはいえ、どんな作業も丁寧にこなしてきた人にとっては、「手を抜く」という発想そのものに最初は嫌悪感や拒否感が生じるかもしれません。 私は現在、多くの企業で研修やコンサルティングを提供していますが、どこの職場でも「マジメな人ほど手抜きが苦手」で、結果的に仕事に忙殺されてしまう傾向にあるようです。 一方で、私が新卒から約10年働いたトヨタグループでは、仕事ができる人ほど四六時中「手を抜くこと」を考えていました。 ただ、それは単純に「サボろう」「いい加減にやろう」という考えとは違います。
「マジメ×手抜き」の2ステップ
大前提として、手を抜くことで生じるリスクを最小限にしつつ、いかに手間や手数といった手を抜くか、という発想です。 リスクや影響もマジメに考慮しながら手間や手数を削る、「マジメ×手抜き」のハイブリッド思考が私が学んだトヨタ流です。 「マジメ×手抜き」は、2ステップで進めます。具体的に見ていきましょう。 <STEP1>手抜き思考~「仕方ない」を捨てる 日々の業務の中で、「なんかこの作業って面倒だな」と思ったら、「でも仕方ない」と蓋をせず、「どう手を抜くか」と考えてみることから始めましょう。 「手を抜く」具体的な方法は、まずは次のような場面で、(1)労力を減らせないか、(2)時間を減らせないか、という視点で考えてみます。 【「面倒だな」と感じる仕事の場面】 ・ややこしい/複雑すぎる仕事 ・プロセスや手順が多すぎる仕事 ・都度対応が多すぎる仕事 ・手作業が多すぎる仕事 ・繰り返し作業が多すぎる仕事 ・やり直しが多すぎる仕事 ・必要人員が多すぎる仕事