【特集】5浪してようやく叶えた“獣医”という夢 しかし待っていたのは「好き」だけでは通用しない“命の現場”「飼い主が任せてくれているありがたみと責任をもっと考えるべき」悪戦苦闘しながら奮闘するアラサー新人獣医師に密着
獣医師になってから、一人暮らしを始めた荒木先生。休みの日には、好きな料理で気分転換。鍋は、だしから取るほどのこだわりようです。 (荒木先生) 「家の鍋は結構だしを取って、いろいろと具材が入っていて好きだったので、その影響ですね」
荒木先生は、5人兄弟の末っ子。子どもの頃から、動物に囲まれて育ちました。 (荒木先生) 「動物病院に通うじゃないですか。自分の犬を治療してもらうとか、注射を打ってもらうとか、そういう獣医師の姿を見ていて、かっこいいなぁと思いました」
思い描いた将来像は、動物たちの命を救う獣医師―。しかし、その道は険しく…。 (荒木先生) 「浪人して。結構ですよ、5浪しています」
Q.諦めようとは思わなかったんですか? (荒木先生) 「僕は絶対に獣医になる。獣医になっている姿しか思い浮かばないと、そのときは思っていました。知識もそうですけれども、診察室の雰囲気の作り方だとか、そういうところも含めて確実に着実に、成長していければなと思います」
縫い糸を飲み込んでしまい、手術を受けた猫のてつ。退院前、血液検査の項目が、荒木先生の宿題になっていましたが…。 (巽院長) 「何の項目を測るか、わかる?」 (荒木先生) 「まず血球系。あと、炎症や感染が起きていたら白血球数が上がるので、測る。“ぶっ飛ばす”と言われたのは、CRPと言ったことだと思っていて」 (巽院長) 「おっ、えらい」 (荒木先生) 「あれは、猫では炎症が上昇しないから」 (巽院長) 「せやな。ばっちり」 まだ、たどたどしさは残りますが、合格。叱咤激励された甲斐がありました。
時に怒られ、時に褒められ…少しずつ着実に日々成長 動物の命を救い、病気に心を痛める飼い主にも寄り添う獣医師に―
健康診断にやってきた13歳の犬『ミルク』に、巽院長も予想しなかった“重い病気”が見つかりました。 (巽院長) 「肝臓から、イボのように大きな出来物ができています。7センチぐらいで、人でいうとバレーボールぐらいの大きさです」
見つかったのは、とてつもなく大きな腫瘍。3か月前の検診ではなかったそうですが…。 (巽院長) 「腫瘍が中で出血して、急に大きくなったのかという感じです。いつか腫瘍が破れる可能性があるので、これは正直、寿命までは絶対にもたないです。僕は、自分の子だったら迷わず取ります」 (ミルクの飼い主) 「……」
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