【特集】5浪してようやく叶えた“獣医”という夢 しかし待っていたのは「好き」だけでは通用しない“命の現場”「飼い主が任せてくれているありがたみと責任をもっと考えるべき」悪戦苦闘しながら奮闘するアラサー新人獣医師に密着
(巽院長) 「任せてもらうためには、飼い主さんの信頼を得なければいけないので、失礼がないような話し方であったり、ワンちゃん・ネコちゃんの扱い方であったり、大学で学ぶだけでは全く足りないです。病気だけ診る場合はいいんですけど、“賢い獣医”にはなれても“良い獣医”にはなれないと思うので、みんなには“良い獣医師”になってほしいですね。動物のためにも」
「獣医になっている姿しか思い浮かばない」5浪しても諦めず、険しい道のりを経て29歳で叶えた夢
この日やって来たのは、2歳の猫『てつ』。エサを食べなくなり、おう吐を繰り返しているといいます。 (てつ) 「にゃお~ん」 (看護師) 「頑張ってね」 一体、何が原因なのか―?エコー検査をしてみると…。
(巽院長) 「これ…ひも」 (看護師) 「ひもですか⁉」 (巽院長) 「腸がこうなって、ひも…」
遊んでいて誤って飲み込んだのか、ひものようなものが胃から腸を通って、おしりにまで達していました。 (巽院長) 「ひもを飲むと、やばいです。誤食で一番やばいです」 このまま放置しておくと、複雑に絡み合って腸が裂け、命取りに。
緊急手術の助手に命じられた荒木先生ですが…。 (荒木先生) 「これ、指が。指が…」 初めての手術。一人でゴム手袋をはめることも、手術着を着ることもままならず…。ピンセット1つ渡すのも緊張した様子で、必要な道具もすぐに探せません。
(巽院長) 「助手が上手いか下手かで手術の速さ・滑らかさが変わって、動物への負担が変わってくるから」 (荒木先生) 「はい…」 手術を始めて15分。腸から取り出されたのは、縫い糸でした。
てつは2日間入院した後、退院することになりました。血液検査をして、体調管理が必要です。 (巽院長) 「血液検査で、何の項目を測る?」 (荒木先生) 「CRP(たんぱく質)と、好中球(白血球の一種)。あと…血球系と」 (巽院長) 「半分正解もあれば、半分は“ぶっ飛ばすぞ”というようなことを言っているから(笑)それ、宿題な。何を測るべきか」 (荒木先生) 「はい…」
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