記者の実家も立ち退きに…どう決まる?道路建設【#みんなのギモン】
道路計画はどのように決まり、住民にはどう知らされる?
こうした道路の建設計画は、どのような形で進められているのでしょうか。 新たな道路づくりは「都市計画法」に基づき、都市づくりの一環として計画されます。そして「都市計画道路」として計画段階で、詳しいルートや構造が決められていきます。
立ち退きをしないといけないのか?
では、道路の計画線上に土地や家があったら、手放さなければならないのでしょうか。 私たちの取材に東京都の担当者はこのように語りました。 東京都の担当者 「道路の計画線上にある土地は譲って頂きます。これが基本です」 「都市計画法」に基づき、「この場所を道路」と定めたので、「土地は譲って頂く」というスタンスなのです。住民は都側と補償交渉を行い、他へ移り住むことになります。
東京都の「優先整備路線」とは?
東京都では「都市計画道路」のうち、10年間で優先的に整備する路線を「優先整備路線」とし2016年に320区間、226キロメートルを決めました。 東京都の担当者 「法的に決定しているものなので、大きく50メートル100メートルずれることはないです。また2500分の1の地図上でも公表もされています」 上の図の水色、ピンクなどの色のついている部分が「優先整備路線」です。整備の方針や路線図は東京都のホームページや各市区町の窓口で見ることができます。
記者の実家も「優先整備路線」の線上に…
実は、この「優先整備路線」をみて、記者もびっくり。東京都府中市にある記者の実家も「優先整備路線」の線上にあることがわかったのです。道路は総延長約8.5キロの「府中3・4・3号線」。1962年に都市計画決定され、現在、両端の約4.4キロはすでに開通済みです。 記者は子どもの頃、親から「ここは将来、道路が通ることになる」と聞かされたことがあります。しかし、それから40年以上経過しましたが、いまも行政側からは何一つ連絡はありません。ですので、事業化はまだまだ先だろうと考えていました。 ところが、自宅からわずか2キロのところまで事業計画が進み(赤実線部分)去年、周辺住民に説明会が行われていたことがわかりました。しかし記者の実家周辺(赤点線部分)ではまだ、説明会すら行われていません。つまり、自分で調べない限り、立ち退きが近づいていることにもなかなか気づけないのです。