新型フォルクスワーゲン・パサートは乗れば乗るほど味が出るイイクルマだったワケとは?
フルモデルチェンジしたフォルクスワーゲン「パサート」が日本に上陸。ステーションワゴンのみとなった新型の魅力を探る。 【写真を見る】新型パサートの日本仕様を隅々までチェック(20枚)
モーターだけで142km走行OK
フォルクスワーゲン・ジャパンが、新型パサートを、2024年11月25日に発売開始、12月初頭にテストドライブした。プラグイン・ハイブリッドも設定された新型は、乗るとメーカーの底力を感じさせる出来だった。 新しいパサートの特徴を簡単にいうと、パワートレインのバリエーションが増え、バリアント(ステーションワゴン)のみとなり、走行性能が向上。車体は大型化し、結果、後席空間が拡大し、かつインフォテインメントシステム性能が向上した……と、なる。 上記を読むと、「良いことづくめではないか?」と、首をかしげる人がいるかもしれない。が、実際、プラグイン・ハイブリッドのeHybridエレガンスに乗ってみると、たいへんよく出来ているのに感心させられた。 セダンをラインナップから落としたのは、大きな決断が必要だったかもしれない。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディには、セダンがしっかり存在するからだ。 バリアントのみにした理由として、フォルクスワーゲンでは“集中”と、挙げている。かつては多品種少量生産へと向かった時代もあったけれど、今は商品をしぼって採算性を上げるのが重要というのだ。 今の時代、ステーションワゴンすらSUVに凌駕されているけれど、使い勝手の面でステーションワゴンを好むユーザーも一定数いるのは事実。パサートは、大型化によって、“フォルクスワーゲンのファーストクラス”と謳われている通り、後席の居心地も良く、簡便なリムジン的な使い方も出来るようになっている。 ドライブトレインは3種類。マイルド・ハイブリッドのeTSI(前輪駆動)、ディーゼルのTDI 4MOTION(4WD)。それに今回乗ったプラグイン・ハイグリッドのeHybrid(前輪駆動)だ。 eHybridが搭載する1497cc4気筒ガソリンエンジンは、150kWの最高出力と250Nmの最大トルクを発生。総電力量25.7kWhのバッテリーで駆動されるモーターは、330Nmの最大トルクを持つ。満充電時、モーターだけで142km走れる(WLTC)という。