多様化する事業承継にアセットファイナンスまで取り組む ~ 日本エクイティバンク・西尾公伸社長 単独インタビュー ~
―Authense法律事務所に入所したきっかけは
大阪から上京し、仕事をたくさんしたいという思いがあった。また、代表である元榮太一郎弁護士(※1)が慶応義塾大学のサッカー部出身で、体育会系の組織的な感性が合ったほか、先輩弁護士に対する敬意、チャレンジ精神などに納得感があった。何をやるかも大事だが、誰とやるかが圧倒的に重要だと思っていたため、2011年に入所した。 ※1 第二東京弁護士会所属(54期)。2016年7月の参議院選挙で当選、財務政務官などを務める。弁護士法人Authense法律事務所の代表社員や弁護士ドットコム(株)の代表取締役などを務めている。
―会社の立ち上げについて
実家のガソリンスタンドは日銭商売で、事業を停止したら稼ぎがなくなるため、辞め時というものがない。また、経営者にとって、日々の商売が人生そのものとなるケースもある。実家のガソリンスタンドは地域交流の場にもなっていた。 一方で、経営者の家族、相続人という立場からすると、経営者に不測の事態が起こり、経営が立ち行かなくなった際の手続きなどにリスクを感じるケースがある。ガソリンスタンドの場合でも、地下にあるタンクや土壌汚染への対応などを求められる。そのため、家族は事業をやめてほしいと思うようになり、経営者と家族の間で軋轢が生じることとなった。 弁護士の立場では「遺言」という方法がある。しかし、経営者に死を直面させて、行うことは難しい。また、「遺言」では財産の承継について意思を示すことはできても、経営の承継自体を担保することはできない。そこでこのニーズに応えるサービスがないかを探したが、見当たらなかった。そのため、2024年に日本エクイティバンクを立ち上げた。承継保証サービス「GRIT」は、オーナー経営者に不測の事態が起こった時に、株式を当社が引き受け、会社を一時的に管理・運営する。月の費用を払ってもらい、その費用で当社が会社の承継、もしくは清算までを手がけることが可能となった。