月15万円の年金を貰えるのは約4割だけ?今から知っておきたい年金の基本と老後への対策
10月15日の年金支給日まで、残り1ヶ月を切りました。年金は2ヶ月分が偶数月にまとめて支給されます。10月は8・9月分がまとめて支給される仕組みです。 ◆月15万円の年金を貰えるのは何割?厚生年金の受給権者数を「1万円刻み」で一覧化 年金の支給額は人によって異なります。たとえば、月15万円の年金を受け取っている人であれば、2ヶ月に1回約30万円が支給されることとなります。 年金を月15万円受け取っている人は、どれくらいいるのでしょうか。また、月15万円の年金で生活に余裕はあるのでしょうか。この記事では、年金を月15万円受け取っている人の割合や、老後のお金対策について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金制度のしくみ
日本の年金制度には、以下の3つの特徴があります。 ・世代間の支え合い ・国民皆年金 ・2階建て 日本の年金制度は、現役世代が保険料を納めて高齢者世代が給付を受ける「世代間の支え合い」という考え方をもとに運営しています。 また、20歳になると誰もが国民年金に加入し、原則60歳まで保険料を納め続ける「国民皆年金」という仕組みも特徴です。 加えて、日本の年金制度は「2階建て」と呼ばれる仕組みで成り立っています。 1階部分は20歳になると全員が加入する「国民年金」、2階部分は会社員や公務員などが加入する「厚生年金」となっています。会社員や公務員の人は、ほかの人よりも多くの年金を受け取れるようになっているのです。 なお、自分で年金を上乗せする私的年金については「3階部分」といわれることがあります。iDeCoや国民年金基金は3階部分に該当する年金です。 ●どうして日本の年金制度は賦課方式を採用しているの? 年金制度の運営には「賦課方式」と「積立方式」の2通りの方法があります。このうち、日本の年金制度が採用しているのは賦課方式です。それぞれの違いは、以下のとおりです。 ・賦課方式:年金支給に必要な財源を、そのときの保険料収入から用意する方式 ・積立方式:将来自分が年金を受給するときに必要な財源を、現役時代の間に積み立てておく方式 日本の年金制度が賦課方式を採用しているのは、年金の価値を維持するためです。年金の実質価値は、物価や賃金といった経済状況に左右されます。そのため、同じ金額でも時代によって価値が目減りしてしまう可能性があるのです。 賦課方式はどの時代においても徴収した保険料を年金財源に充てます。そのときのお金の価値のまま年金として支給できるため、物価や賃金の変動に対応しやすく、価値が下がりにくくなります。 一方、積立方式の場合は自分で積み立てた金額とその運用益だけが年金原資となります。 そのため、経済状況によっては年金の価値が急落する可能性があります。年金価値が著しく下がってしまうと「老後の生活を支える」という年金本来の役割を果たせなくなってしまうのです。 安定した制度運営や平等な社会保障を実現するために、日本の年金制度は賦課方式を採用しているといえるでしょう。 では、年金を月15万円受け取っている人の割合について、次章で確認しましょう。