44カ月連続で資金流入が継続、先進国株式を筆頭に国内株式にも資金が流入=DC専用ファンド(2024年7月)
ここ数年間にわたってDC市場では、外国株式ファンドへの人気集中が続いてきた。その結果、「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」の純資産残高が7969億円、「DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>」が5392億円、「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」が4141億円など、先進国株式インデックスファンドが大型化した。数年前であれば、「三菱UFJ プライムバランス(安定成長型)DC)」(純資産残高3380億円)、「マイバランス50(確定拠出年金)」(同2249億円)などのバランス型が残高上位を席巻していたが、今ではDC専用ファンドの純資産残高ランキングでもトップ10のうち7銘柄を先進国株式インデックスファンドが占めるということになっている。
長期の資産形成に株式を投資対象に選ぶことは決して間違いとはいえない。まして、確定拠出年金のように毎月一定額を積み立てで投資していく投資手法の場合、株式投資のリスクが時間分散されるメリットもある。ただ、株式投資には当然、価格変動リスクがあり、先進国株式インデックスの下落率は年率20%を超えるような下落に見舞われることもある。どれだけの下落率に耐えられるかというリスク許容度は、人それぞれだ。それが、同じように「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するインデックスファンドが、DC専用ファンドの純資産残高上位に7銘柄もあり、その7銘柄合計の残高は2兆9000億円を超えている。あまりにも集中しすぎているようだ。同じインデックスに連動する7銘柄だけで全体の残高の21%を占めている。
8月に始まった世界的な株価下落は、現在の先進国株式インデックスファンドに投資している方々に、ショックを与えるだろう。たとえば、「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」の基準価額は、7月11日の7万2624円が、8月6日には6万515円になった。わずか半月で16.67%の下落だ。米国経済のリセッション(景気後退)懸念など、先行きに不透明となる材料もこの急落の背景としてニュースが出ている。この株価下落によって、DC市場の人気銘柄に変化が現れるのか注目したい。