「1円スマホ」はどこで買える? 規制の現況といまも購入可能な機種はあるのか
一方で10万円台のハイエンド端末の場合は、キャリアが「24カ月後の端末返却」を条件とした購入プログラムを設けて「実質1円」として販売することが多いです。たとえば、スマホ端末が10万1円の場合、24カ月後の残価を5万円に設定し、残価の5万円は「24カ月後に端末を返却した場合に免除」と特約を結びます。するとスマホの端末代は5万円になります。これに「ショップ割引」と「回線契約が条件の割引」を合わせて5万円の割引を適用することで、スマホ価格を実質1円にするという仕組みです。 ただし、「実質1円」の場合は、「端末返却をしなければ1円にはならない」点に注意が必要です。2021年3月に発表された「内閣府経済社会総合研究所 景気統計部 」の調査によると、スマートフォンの平均使用年数は3~4年。スマホが故障してから買い替える人も多く、定期的にハイエンドモデルに買い替えたい人を除いては、2年での返却は短く感じるかもしれません。 実質1円スマホの場合は、「返却しないといけない」=「自分のものにならない」という点や、まだ手放したくないタイミングで返却をせざるを得ない可能性がある点に注意しましょう。 ■1円スマホは「不当廉売」? 1円スマホは「不当廉売の恐れがある」として、公正取引委員会の調査の対象になっています。前述した通り、2019年に「回線契約と紐づく割引の規制」によって割引に上限が定められたものの、スマホ端末単体での割引には規制がありませんでした。その結果、「端末単体をショップ独自で極端に割り引く」ケースの多発を招きました。 特にMNP(他社に移行後も電話番号を引き継ぐ制度)を利用して他社から乗り換える顧客に対して、極端な割引を行うケースが見られました。その背景には、極端な割引を行っても「通信料金によって後から利益を得られる」という通信キャリアならではのビジネスモデルが影響しています。このような事態を受けて、総務省は2023年11月、端末割引も含めた割引の上限規制を課すことを発表し、同年12月から規制が強化されたのです。