金沢21世紀美術館の展示室が再オープン。今後、大規模修繕へ
今年元旦に発生した能登半島地震によって被災した金沢21世紀美術館が、震災後初めて展示室を再オープンさせた。 同館では、能登半島地震によって展示室の天井に設置されていたガラス板が落下。これによって展示室は約半年に及ぶ休室を余儀なくされた。 同館の山森健直副館長によると、地震によって影響を受けたガラス板は70枚に達し、ひび割れや歪み、落下などの被害が発生したという。なお震災当日は休館日だったため、人的被害はなかった。 被災後、来館者の安全確保のため14の展示室と長期インスタレーションルームの計15屋で天井のガラス板を撤去。約3ヶ月に及ぶ工事の末、露出天井での再開に至った。ガラス板落下の原因について、詳細は明らかにされていない。 今後、金沢市は同館の経年劣化を踏まえ、大規模修繕計画を今年度から来年度にかけて設計。実施時期は未定となっている。なお現在の展示室は、展示の内容に応じて天井を布で覆うなどの対応をとる。
文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)