「イングランドに勝つ。いまはそれしか考えていません」初陣に燃えるエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ
エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は再び日本代表を率いて世界を驚かせるのだろうか。2015年のラグビーワールドカップ(RWC)では、それまで5大会で0勝だった日本代表を3勝させ、その中の1勝は優勝候補の南アフリカを破る歴史的快挙。RWC2019のベスト8進出の礎を築いたのは間違いない。その後はイングランド代表を7年にわたって率いて歴代HCの最高勝率を記録するも、最後の2年は戦績が振るわず退任。オーストラリア代表の立て直しもうまくいかなかった。日本代表HCへの再就任については、期待と不安が相半ばする。エディー・ジャパン二期目は始まったばかりだが、「超速ラグビー」を掲げて世界のラグビー界に革命を起こそうとする姿勢には多くの選手が胸を躍らせているように感じる。宮崎での日本代表合宿で、その思いを聞いた。
――久しぶりに宮崎での日本代表合宿の指揮を執る気分はどうですか。 「私は日本ラグビーへの恩返しをしたいという気持ちが強いので戻ってきました。宮崎へは里帰りのような気持ちです。前回は日本ラグビーに変革をもたらそうとしていました。いまはすでに変革は訪れたあとです。今回のテーマは、ラグビーのレボリューション(革命)です」
――具体的な目標を聞かせてください。 「2027年RWCはトップ4を狙います。それが私の仕事です。現状、日本代表はターニングポイントにいます。2015年のRWCで3勝、2019年では4勝、2023年は2勝でした。このまま右肩下がりにならず、違う方向に持って行くのが我々のチャレンジです。歴史を振り返れば、偉大な日本代表はいつも素早く前に出るアタッキングラグビーをしています。ディフェンスも容赦なく前に出て、ユニークなプレーをします。集団としてのスピードが脅威だと思われるようなチームを作りたいと思っています」
――どのように日本代表を強くしますか。 「毎日、昨日より良くなるためのトレーニングを続けていきます。その中で日本人としてのアイデンティティを培っていかなくてはいけないと思っています。今回、ラインアウトについては、元南アフリカ代表のヴィクター・マットフィールドに指導してもらいますが、アイデンティティを理解しているという意味では南アフリカは素晴らしいチームです。非常にフィジカルなチームで、キックゲーム、カウンターアタックも得意です。日本代表は、モメンタム(勢い)をベースとしたいと思います。スピードで勝負し、ディフェンスでも容赦なく前に出る。相手のディフェンスを迷わせるような戦い方をしていきます。小さなサイズを逆に優位に持っていきたいと思います」