「イングランドに勝つ。いまはそれしか考えていません」初陣に燃えるエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ
――「超速ラグビー」を掲げていますが、どのように実現していきますか。 「プレーヤー全員のスピードを上げるためのプログラムを組んでいます。2012年はフィットネスにフォーカスを置いてトレーニングしていましたが、これからの4年間は、何度も何度もスピードを出すことに特化していきます。今回の練習時間は前回より短めになりますが、中身は前回よりハードで、強度も上げることになります」
――「超速」という言葉はエディーさんが考えたものですか。 「私のイメージをコンサルタントに日本語にしてもらいました。日本では、キャンペーンという形でトレンドを作ることでうまく行くことがあります。耳に残りやすい言葉を掲げると、それが信条に代わる傾向があると思っているので、そこを目指しました」
――どのようなプロセスを踏んでベスト4を目指すのですか。 「4年間のプランを持っています。まず、今年は我々の攻守のシステムの基礎を培っていきたい。選手たちには、トレーニング方法、リカバリーの方法をがらりと変えなくてはいけないことを理解してほしいと思います。選手たちの心の中にワールドクラスとは何かということを確固たるものにしたい。選手全員がワールドクラスにはなれないと思いますが、ワールドクラスになりたいという欲は持つことができます」
――メンバー発表記者会見では日本人選手は世界一タフだという言葉がありましたね。 「私の日本ラグビーの最初の思い出は菅平高原でした。たくさんのピッチがあり、午前も午後も試合をして、内容がよくなければまた練習する。それが正しいとは思いませんが、それが日本ラグビーの歴史の一部であり、タフなプレーヤーを輩出してきました。日本のプレーヤーは自分とチームを信じることができれば、容赦ない強度(インテンシティー)でプレーできます。2015年、2019年のRWCはそれを証明しました」
――初戦はイングランド代表との戦いです。勝つためのキーポイントは何ですか。 「イングランド代表の戦い方はわかっています。プレースタイルはシンプルで、セットプレーで試合をコントロールします。ラッシュアップディフェンスもキッキングゲームも強い。イングランドのサイクルを壊し、自分たちがゲームのテンポをコントロールすることが大事です。イングランドが非常にやりづらいという瞬間を作りたい。その時間を長くすることで勝つことができます。2023年のRWCで日本代表はイングランド代表がやりづらいと思う時間帯を作ることができました。しかし、それを長い時間続けられませんでした。イングランドと日本のラグビーは、ほぼ対極にあります。できるだけセットピースを与えないように、試合を細分化したいと思います」