「イングランドに勝つ。いまはそれしか考えていません」初陣に燃えるエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ
――今年のテストマッチシリーズで大学生は出場のチャンスがあるでしょうか。 「ラグビーのエコシステムを構築することが大事だと思っています。U20日本代表があり、ジャパン・フィフティーン(JAPAN XV)があり、日本代表がある。ここをうまく連携させることで早い形でタレントを成長させることができます。ジャパンタレントスコッド(JAPAN TALENT SQUADプログラム)もあり、光るプレーヤーがいれば積極的に起用していきたいと思っています」
――海外出身選手で今後日本代表資格を得る選手がいます。彼らは起用していきますか。 「日本のチームとしてのバランスが大事ですが、外国人選手のパワーも必要です。今年に関しては非常に質の高いプレーヤーが数名代表資格を獲得する予定なので、今後選出する可能性はあります。ただし、ファン目線で考えると、外国人メインのチームは求められていないでしょう。日本ラグビーの成長にも役に立たないと思っています。日本人の若手プレーヤーを発掘、育成するとともに質の高い外国人プレーヤーもバランスを見ながら起用していきたいです」
――コーチングはアートだとおっしゃっています。完成形はもう頭の中にあるのですね。 「完成形に向かってチームを成長させたいと思っていますが、これはジグソーパズルのようなものです。ひとつピースをはめると、その次のオプションができるという形で考えています。4年間をかけて、ピースをはめこみ、完成させたいと思っています」
「ラグビーに革命を起こす」。エディー・ジョーンズHCの言葉に多くの選手が奮い立っている。この夏はイングランド代表戦のあと、ジョージア代表、イタリア代表とのテストマッチがあり、マオリ・オールブラックスとの試合もある。先のことを聞いてみると、ジョーンズHCは「いまはイングランドに勝つことしか考えていません」と繰り返した。自らが7年間にわたって指揮を執ったチームが、新生・日本代表の初陣の相手となる。このシチュエーションに闘将が燃えないはずがない。準備期間が短く、勝つための作戦をどこまで精度高くできるのかはわからないが、立ち上がりから果敢に仕掛けるのは間違いない。いよいよエディー・ジャパンの「超速ラグビー」がベールを脱ぐ。
村上 晃一