日本にオランダ・インド・トルコの軍艦が3日連続で寄港…ロシア・北朝鮮の戦略的パートナー条約が世界にもたらす激震
オランダ海軍VS中国軍 非難の応酬
6月7日、オランダ海軍は、公式Xで「本日早朝、東シナ海で中国の戦闘機2機がオランダ海軍HNLMSトロンプの周囲を数回旋回。さらに、巡回中の同艦のNH90海上戦闘ヘリコプターは、中国の戦闘機2機とヘリコプター1機に接近された。これにより、危険な状況が生じる可能性があった。この事件は国際エリアで発生した。HNLMSトロンプは、国連安全保障理事会で決議された北朝鮮に対する海上制裁の執行を監視(中略)を支援するため、東シナ海で巡回を行っていた」と発表した。 オランダ国防省は「トロンプ」から撮影した中国軍のJH-7戦闘爆撃機と、Z-19軽偵察攻撃ヘリコプターの画像をX上で公開した。 これに対して、中国国防部報道官は11日「トロンプの艦載ヘリ(NH-90)は7日、上海の東方で権利侵害と挑発を行った。中国人民解放軍東部戦区による音声での警告や戦闘機の発進は全く合法的、合理的で、全プロセスが専門的かつ規範的だった。安全でない状況を作り出したのはオランダ側であり中国側ではない。オランダ側は国連の任務実行と偽り、他国の管轄下の海・空域で武力をひけらかし…両国の友好関係に損害を与えた」(新華社6/12付)と反論した。 興味深いのは、中国側の反論は「トロンプ」の艦載ヘリNH-90の行動が中国の「権利侵害と挑発」を行ったので、中国軍は「警告や戦闘機の発進」を行ったと説明していて、オランダ国防省が指摘した「東シナ海で中国の戦闘機2機がオランダ海軍トロンプの周囲を数回旋回」については、新華社通信の記事中には言及がない。 これは、なぜなのだろうか? オランダ海軍のフリゲート「トロンプ」は北大西洋で2023年5月17日、統合防空ミサイル防衛 (IAMD) 演習「フォーミダブル・シールド2023」を支援し、模擬の脅威に対する実弾射撃演習を実施した。 「フォーミダブル・シールド2023」は亜音速、超音速の飛翔体やミサイル、弾道ミサイル、巡航ミサイルが襲ってくることを想定し、標的に対し複数の味方部隊や軍艦により一連の実弾射撃を行う演習だった。 この演習で「トロンプ」は、航空機や巡航ミサイルに対処するSM-2迎撃ミサイルを発射した画像が公開されている。 「トロンプ」は、日米のイージス艦と同様の垂直ミサイル発射装置(VLS)を持っているが、弾道ミサイル迎撃用のSM-3迎撃ミサイルは搭載されていない。 弾道ミサイル防衛能力のあるイージス艦を敵の航空機から防御することだけが「トロンプ」に与えられた役割なのだろうか。