日本にオランダ・インド・トルコの軍艦が3日連続で寄港…ロシア・北朝鮮の戦略的パートナー条約が世界にもたらす激震
外国の軍艦が続々入港
6月10日、前日に海上自衛隊護衛艦「あけぼの」と東シナ海で共同訓練を行ったばかりのオランダ海軍フリゲート「トロンプ」が長崎に入港した。 「トロンプ」の日本寄港は、日本との親善、関係強化を視野に入れたものだったが、軍艦であるが故、東アジアの厳しい安保情勢を反映する場面もあった。 オランダ海軍の「トロンプ」は、長崎寄港の前の5月22日、南シナ海で米第7艦隊の米国海軍のインディペンデンス級沿海域戦闘艦「モービル」(LCS26)、ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦「ウォーリー・シラー」(T-AKE8)と米蘭二国間訓練を実施した。 モービルは速さを重視した三胴船という構造の軍艦で、米国海軍のイージス駆逐艦の時速55kmを上回る時速75kmで洋上を疾走することが可能。 言うなれば、外国の軍艦と“追いかけっこ”をするのに向いている。 南シナ海でオランダ海軍の「トロンプ」と、どんな訓練をしたか詳細は不明だが、南シナ海での訓練であるが故に「南シナ海においてスプラトリー諸島、パラセル諸島、マックレスフィールド岩礁群、プラタス諸島の全てについての領有権と、それらに付随する排他的経済水域の管轄権を主張している」(防衛研究所紀要 第10巻第1号/飯田将史「南シナ海問題における中国の新動向」)中国にとっては、オランダ海軍の「トロンプ」が米第7艦隊と“南シナ海”で行動を共にしたこと、その後、台湾海峡を通過したと報じられたこと(米国営放送VOA広東語版 6/9付)が気掛かりだったかもしれない。 2021年にも別のオランダのフリゲート「エバーツェン」が台湾の傍を航海していたが、その際は、台湾海峡は通っていなかった。トロンプの台湾海峡通過について、中国外交部は「航行の自由を名目に中国の主権と安全に危害を加える行為に断固反対すると表明した」(新華社6月3日付) 今回の「トロンプ」の航海について、オランダ海軍は「北朝鮮船舶の瀬取りを含む違法な海上活動に対してトロンプを派遣し、5月下旬から6月上旬までの間、オランダ初となる警戒監視を行った」(防衛省公式X 6/10付)とされていたが、事件は、まさに、その「トロンプ」の瀬取り監視期間中に起きた。