2年目のブレイクを期す横浜ビー・コルセアーズの松崎裕樹「積極性を持って、チームの核となる選手になりたい」
「勇輝が抜けてビーコルが弱くなってしまったという見方を覆したい」
今シーズンの横浜BCは、絶対的な中心選手だった河村勇輝がNBA挑戦によって退団したことで文字通り新時代を迎えている。松崎は「チーム全員が、勇輝が抜けてビーコルが弱くなってしまったという見方を覆したいと思っています」と言い切る。それが昨シーズンからの残留メンバーだけでなくチーム全員の共通意識になっていることで、より結束が強まっているという。松崎は次のエピソードを明かしてくれた。 「オーストラリアのチームと試合をした時、ゲイリー(クラーク)選手が『勇輝が抜けてチーム力が落ちるという見方を変えよう』と、新しく入ってきた選手がチームのことを思った発言をしてくれました。全員がチャンピオンを取るという目標をブラさずにやっていることが、自分の成長に繋がりますし、チーム全体としての積極性、強度を生んでいると思います」 プロ1年目の昨シーズン、松崎は50試合に出場するも平均1.3得点、0.7リバウンドに終わった。そのため「2年目になりますが、オフシーズンは危機感を持っていました」と背水の陣で2年目のシーズンを迎えている。そして次のような強い覚悟を持ってコートに立っている「去年の成績がふるわなくて、このままだったらそもそもリーグにいられない。そこに勇輝も抜けるとなって自分自身、積極性を持ってチームの核となる選手になりたいです」 今日の試合で、さっそく昨年と違うことを証明した松崎に対し、トゥオビヘッドコーチは「プレシーズンでここまで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたのは、夏の間にハードワークをしていたことの証明だと思います」と称えた。 来週、横浜BCは天皇杯2次ラウンドを広島会場で戦う。B3のヴィアティン三重に勝利すると、渡邊雄太の加入で最も注目を集める千葉ジェッツと対戦することが濃厚だ。松崎は目の前の試合に集中すると同時に、千葉Jとの対決を「間違いなく意識はしています」と闘志を燃やす。 「ジェッツさんは、すごい補強をして間違いなくトップのチームです。ただ、自分たちのバスケをやって100%噛み合えば勝てるチャンスはあります。下剋上ではないですが、トーナメントは一発勝負で何があるのか分からない。とにかく1回戦を勝ってジェッツさんが順当に上がってきたら、全員が倒しにいく気持ちでやっていきたいです」 1週間後、横浜BCがいきなりの下剋上で昨シーズンとの違いを見せることができるか。そのためには、松崎が今日見せた2年目のブレイクの兆しを継続させなければならない。
鈴木栄一