鹿屋体大と連携 合同合宿や指導陣ミーティング OB杉野の代表入りで相乗効果も加速へ 革新 徳洲会体操クラブの挑戦(6)
特に興味深いのは全日本団体選手権の前のミーティング。この時は通常と異なり、全日本団体で失敗して負けたことを想定して、事前に「反省会」を行うのだ。
発案した徳洲会監督の米田功(46)は、こう説明する。「試合で駄目だったとき、その理由は予測が付くもの。予想外のことが起こるって、あまりないんですよ。じゃあ、なんで先に準備できなかったのか、ということです」。試合本番でミスが出そうだと、うすうす感じていながらも、練習段階で徹底して仕上げられないことは少なくない。鹿屋監督の中谷太希(31)は「実際、先に反省会をやってみたら、大会までの残りの期間で選手にうまくアプローチできて、不安箇所をつぶすことができた」という。
今回、鹿屋OBの杉野がパリ五輪代表入りしたことについて、中谷は「後輩たちは『すげぇ』と言っている。ここから部が良い方向に転がっていけば」と期待を寄せる。杉野自身も「僕たちも憧れられる存在にならないといけない。責任感があります」と気を引き締めている。大舞台での活躍は連携の相乗効果を一層、加速させるだろう。=敬称略(宝田将志)